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METHOD

3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)PHASE 3 基盤整備段階 L0 → L2(半自動)L2 半自動

CRM は機能より先に「AI が読める形」を決める。次のアクションは人が持つ【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「CRM の機能」ではなく「記録が1か所に集まり、AI が読める形になること」です。

会社OSは、ドライブの整備と CRM の両方を指します。コンサルファームでは、ドライブの整備を先方の AI 推進オーナーが、CRM を支援側が担い、どちらも「AI が読めること」を基準に作り直しました。5つに分かれていた DB を1つにまとめ、商談の議事録を AI が読み取れる形に変えて、本番に切り替えています。

この記事で得られること
  • CRM を「機能で選ぶ」から「AI が読める形を先に決める」に変える設計
  • 要件定義・収集と整形・統合と移行の順に進め、人の判断を3回に固定する考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の CRM を同じ形で作り直す手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「CRM の機能」ではなく「記録が1か所に集まり、AI が読める形になること」だ。As-Is では、用途ごとに DB が増え、商談は古い方に書かれ続け、議事録は別の場所に残る。AI に読ませようにも、どこに何があるかが人の頭の中にしかない。To-Be では、まず AI が読みやすいフォルダ構造と各ルールを決め、すでに使っているツールに寄せる。要件は壁打ちを重ねて詰め、担当者しか知らない情報はやり取りで補い、5つの DB を1つに統合して移行する。本番に切り替えたあとは、議事録が商談・案件に紐づき、AI が読める形で溜まっていく。次にいつ何をやるかは、人が責任を持って決める。ここが AI を機能させるための、人の判断として残る部分だ。

太田 壮哉
太田 壮哉の実践アドバイス

一番時間がかかったのは、データの要件定義と、収集とクレンジングと、移行の3つです。要件は何回か壁打ちしてだいぶ良くなりました。もともとデータがきれいになっていなかったので、担当者しか知り得ない情報はやり取りしながら埋めていきます。データ量が多いと、AI とはいえ移行にかなり時間がかかるので、そこは最初から見込んでおいてください。

記録の置き場の数
5DB→1DB
企業・商談・案件・議事録・タスクを1つの DB 群に統合。本番切替は10/7。旧 DB は消さず「旧」を付けて残す
議事録の移行対象の数
450件
AI でも時間がかかった工程。読み書きの設計を変えて量を減らした
確認シートの回答数
50件
担当者しか知らない情報を、確認シートで聞いてから CRM に反映した
議事録を案件に紐づけた数
45件
確認シートの回答をもとに、議事録をコンサル案件へ紐づけた
人が判断する回数
3回
方針(AI が読める形を基準に)/移行の承認/次のアクション

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04全社の業務フローのどこを AI 化したか

全社の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「組織・情報基盤」の4つのステップのうち X-22〜X-23(置き場・命名ルール設計〜CRM・マスタ設計) です。

MANAGEMENT FLOW―全社の業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
組織・情報基盤
STEP 3
会議・情報共有
STEP 4
業務改善・AI化
STEP 5
教育・定着
STEP 6
経営管理
中でやること
1-1 経営目標設定1-2 MVV策定1-3 中期計画策定1-4 重点テーマ決定
2-1 組織・役割設計2-2 置き場・命名ルール設計2-3 CRM・マスタ設計2-4 判断者・完了条件定義
3-1 会議設計3-2 録音・議事録作成3-3 タスク展開3-4 社内共有
4-1 現状把握4-2 AI化リスト作成4-3 優先順位決定4-4 パイロット構築
5-1 推進役育成5-2 マニュアル・テンプレート整備5-3 研修実施5-4 現場展開
6-1 数値集計6-2 経営レポート作成6-3 経営会議運営6-4 振り返り・次期目標設定
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。要件のたたき・整形・統合・移行・紐づけが AI に移り、人は方針・移行の承認・次のアクションの3回の判断に集まりました。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):用途ごとに DB が増え、記録は散らばり、次に何をやるかは頭の中

スキルを使わない場合の一般的な CRM の作り方を同じ8工程に並べました。機能と画面から入るため、AI が読める形になりません。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 AI データ・システム 推進役 現場 AI システム 01 方針決定 02 要件定義 03 収集・整形 04 DB統合 05 データ移行 06 本番切替 07 議事録の紐づけ 08 次のアクション 機能で選ぶ ツールごとに記録先が増える 使い慣れた所に書く 人によって違う 複数の DB 用途ごとに分かれる 画面と項目から決める 定義(商談とは何か)が曖昧 手で転記する 表記ゆれ・欠けが残る 知っている人に聞く 担当者しか知らない 名刺・表・旧 DB 元データが散らばる 手でコピーする 件数の照合がない 周知する 旧 DB に書かれ続ける 古い方に書き続ける 入口が複数ある 議事録 別の場所に残る 判断 頭の中で持つ 誰がいつ何をやるかが残らな い 周知 聞く 周知 書く 探す 読み返す この時点で AI は入っていない 統合は行われない 議事録は商談・案件に紐づかない
記録先が複数あると、古い方に書かれ続ける。議事録は別の場所に残り、次のアクションは担当者の頭の中にしかない

07After(To-Be):AI が読める形を先に決め、統合と移行を AI が担う。次のアクションは人

同じ8工程のまま、要件のたたき・整形・統合・移行・紐づけを AI に移しました。人に残るのは方針、移行の承認、次のアクションの3つです。

人 AI データ・システム 推進役 現場 AI システム 01 方針決定 02 要件定義 03 収集・整形 04 DB統合 05 データ移行 06 本番切替 07 議事録の紐づけ 08 次のアクション 判断 1 AI が読める形を基準に すでに使っているツールに寄 せる 定例で合意する ドライブの整備は先方の推進 役 既存ツール AI との相性と導入済みで選 ぶ 壁打ちで詰める 何をどの単位で記録するか。 先方の実態を聞きながら 要件のたたきを出す 定義・ステージ・関係を文書 に 要件定義書 版を重ねる 確認シートに答える 担当者しか知らない情報 自動 集めて正しい形に 表記ゆれ・欠けを直す 名刺・表・旧 DB 元データ 自動 5つの DB を1つに 企業・商談・案件・議事録・ タスクを関係で結ぶ 新 CRM 1つの DB 群 判断 2 移行を承認する AI が出す差分を見て許可す る 自動 移行して件数を照合 前後で件数が同じことを確認 新 CRM 旧 DB は消さず「旧」を付 ける 入口を1つにする 使い方ページを用意する 新 CRM で記録する 説明を受けて翌日から 使い方ページを作る 地図・書く場所・よく使う操 作 本番の入口 新 CRM へのリンク 未紐づけを確認する 紐づかないものだけ見る 自動 議事録を紐づける 商談・企業・案件へ。残りは ビューに出す 議事録 DB 商談・案件と結ばれる 判断 3 次に何をやるかを決める 人が責任を持つ 材料を出し、登録する 議事録から次の候補。決まっ たら登録 タスク 期日と担当 合意 壁打ち 回答 承認 使い方 説明 未紐づけ 候補 使い続ける 書く 読む 作る 移行 置く 紐づけ 登録 整形・統合に人の作業はない 紐づけは自動。人は残りを見る
人に残るのは 方針・移行の承認・次のアクション の3回。整形・統合・移行・紐づけは AI

会社OS・CRMを AI 化する手順

  1. 方針決定:AI が読める形を基準に:すでに使っているツールに寄せる
  2. 要件定義:要件のたたきを出す:定義・ステージ・関係を文書に
  3. 収集・整形:集めて正しい形に:表記ゆれ・欠けを直す
  4. DB統合:5つの DB を1つに:企業・商談・案件・議事録・タスクを関係で結ぶ
  5. データ移行:移行して件数を照合:前後で件数が同じことを確認
  6. 本番切替:使い方ページを作る:地図・書く場所・よく使う操作
  7. 議事録の紐づけ:議事録を紐づける:商談・企業・案件へ。残りはビューに出す
  8. 次のアクション:材料を出し、登録する:議事録から次の候補。決まったら登録

08工程ごとの担当の変化

8工程の形は変えず、整形・統合・移行・紐づけを AI に移しました。人に残るのは 方針・移行の承認・次のアクション の3回です。次のアクションは、AI を機能させるために人が責任を持つ部分として残しています。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
01方針決定
手作業

機能で選ぶ。ツールごとに記録先が増える

→
人の判断

AI が読める形(フォルダ構造とルール)を基準に、すでに使っているツールに寄せる。ドライブの整備は先方の推進役、CRM は Zeyra

02要件定義
手作業

画面と項目から決める。商談とは何かの定義が曖昧

→
AI が自動

AI が定義・ステージ・関係を文書にし、人が壁打ちを重ねて詰める。先方は業務の実態を出す

03収集・整形
手作業

手で転記する。表記ゆれと欠けが残る

→
AI が自動

AI が元データを集めて正しい形に直す。担当者しか知らない情報は確認シートで聞き、回答を反映する

04DB統合
手作業

行われない。用途ごとに DB が増える

→
AI が自動

5つの DB を1つの DB 群に統合し、企業・商談・案件・議事録・タスクを関係で結ぶ

05データ移行
手作業

手でコピーする。件数の照合がない

→
人の判断

AI が移行し、前後で件数が同じことを照合する。旧 DB は消さず「旧」を付けて残す

06本番切替
手作業

周知するだけ。入口が複数あり、旧 DB に書かれ続ける

→
AI が自動

入口を新 CRM の1つにし、AI が使い方ページ(地図・書く場所・よく使う操作)を作る

07議事録の紐づけ
手作業

行われない。議事録は別の場所に残る

→
AI が自動

AI が議事録を商談・企業・案件に紐づける。紐づかないものだけをビューに出し、人が見る

08次のアクション
手作業

担当者の頭の中。誰がいつ何をやるかが残らない

→
人の判断

AI が議事録から次の候補を出す。次にいつ何をやるかは、人が責任を持って決めてタスクに登録する

09設計のポイント

01

人の判断は3回に固定する

  1. 判断1 方針: 機能ではなく「AI が読める形」を基準にし、すでに使っているツールに寄せる。相性の悪いツールに無理に載せない
  2. 判断2 移行の承認: AI が差分を見せ、人が許可してから動かす。旧 DB は消さず「旧」を付けて残し、戻せる形にする
  3. 判断3 次のアクション: 次にいつ何をやるかは人が決める。AI は議事録から候補を出すだけ
02

AI の外に残るもの

  1. 担当者しか知らない情報。確認シートで聞き、回答を反映する。AI は元データに無いものを作れない
  2. ドライブの整備。先方の AI 推進オーナーが担い、CRM と合わせて会社OSになる
  3. 旧 DB の削除。消すと動いているものが止まるので、人が後日まとめて判断する
03

役割の移動

  1. 先方の担当者: 複数の DB に手で書く人 → 1つの入口に書き、紐づかない議事録だけを見る人
  2. AI: チャットに貼る道具 → 要件のたたき・整形・統合・移行・紐づけを自分で行う担当
  3. CRM: 入力を待つ箱 → 議事録・商談・企業・案件が関係で結ばれ、AI が読める記録
04

次の分岐

  1. 商談が旧 DB で作られ続けるなら、旧 DB を「見るだけ」にして入口を1つに戻す
  2. 議事録の未紐づけが溜まるなら、紐づけの条件(種別・企業・案件)を見直す(候補)
  3. 次の段階(候補)は、先方の推進役が項目とステージを自分で直し、支援側はレビューだけになる状態

11まとめ

  • CRM は機能より先に「AI が読める形」を決め、すでに使っているツールに寄せる
  • 要件は壁打ちで詰め、担当者しか知らない情報は確認シートで補い、統合と移行は AI が件数を照合しながら行う
  • 次にいつ何をやるかは人が決める。AI は議事録から候補を出すだけ

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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出典: 社内マニュアル・スキル本文・運用の記録(社名・固有名詞は伏せています)
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