METHOD
商品マスタを唯一の入力源にして、ページ・在庫・配送をそこから出す。人は迷った件の承認だけ【業務フロー・指示文付き】
変わるのは「入力の回数」ではなく「唯一の入力源がどこか」です。
インテリア・照明の卸/小売の EC では、在庫表が拠点とカテゴリごとに十数本あり、商品番号は2つの体系が混ざり、同じ商品が重複していました。1商品1行の商品マスタを唯一の入力源にして、商品ページ・在庫・配送を順にそこから出す形に組み替えています。
- 十数本の表と2体系の番号を、1商品1行のマスタに集める設計(商品コードは意味を持たない連番)
- 人の判断を「採番ルール・点検結果・命名の要確認・売価の正・画像の要否」に絞る考え方
- 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の商品マスタを同じ形に組み替える手順
下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。
業務フローと AI への指示文
この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。
- 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
- AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます
01結論:何が変わるのか
変わるのは「入力の回数」ではなく「唯一の入力源がどこか」だ。As-Is では、在庫表が拠点とカテゴリごとに分かれ、商品番号が2体系で混在し、同じ商品が別の行に載っていた。ページやカタログを直しても、元のデータは直らない。To-Be では、意味を持たない連番の商品コードで1商品1行のマスタを作り、AI が移行・点検・商品名の正規化・売価の突合・画像の整理を進める。人がやるのは 採番ルールの承認、点検結果の決定、命名で迷った件の目視承認、売価の正の決定、画像の要否 の判断だけ。商品ページは、このマスタから出るようになった。
03AI 化の進め方、6つのフェーズ
大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。
04全社の業務フローのどこを AI 化したか
全社の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「組織・情報基盤」の4つのステップのうち X-23(CRM・マスタ設計) です。
05効率化の段階
この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。推進役がスクリプトを起動し、AI は移行から整理まで縦に積み、人は迷った件の承認で止まります。
06Before(As-Is):現場がすべてを手で持つ。データは表ごと・モールごとに散り、突き合わせる手段がない
工数の正体は作業の遅さではなく、データが1か所にまとまっていないことでした。手を速くしても解決しません。
07After(To-Be):マスタを唯一の入力源にし、AI が移行から整理まで担う。人は迷った件の承認だけ
出力側から手をつけず、まずデータを1か所に集めました。AI が読んで集計し、人は機械で決めきれない件だけを承認します。商品ページはこのマスタから出るようになり、在庫と配送はこの上に乗せる段階です。
商品マスタを AI 化する手順
- 現状の把握:データを全部読む:在庫表・商品データ・素材を横断して構造を出す
- 採番と構造:採番と3シート構成を設計:商品/入荷/仕入ロットに分ける
- データの移行:元の表を流し込む:全列を取り込み、移行元の行を保持する
- 点検:欠け・重複・廃盤を集計:本番には書き込まず、読むだけ
- 商品名の正規化:命名ルールで変換案を作る:1,817件。決めきれない分は人へ
- 売価の突合:掲載中の価格と突き合わせる:食い違いと未設定を一覧にし、承認後に反映
- 画像の整理:名前の一致で商品に紐づけて移す:同名同容量の重複は飛ばす
- 出力の接続:マスタから商品ページを組む:コードを入れると原稿・画像の指示・下書き登録まで
08工程ごとの担当の変化
8工程の形は変えず、読む・集計する・変換する作業を AI に移しました。人に残るのは 機械で決めきれない件の承認 だけです。
全体を知る人がいない。在庫表が拠点・カテゴリごとに十数本
AI が在庫表・商品データ・素材を横断して読み、構造と壊れ方を一覧にする
番号が2体系で混在し、同じ商品が別の行に載る
意味を持たない連番で採番し、商品・入荷・仕入ロットの3シートに分ける
表ごとに入力し、同じ商品を複数の表に書く
元の表を全列取り込み、移行元の行を保持したまま1本にする
点検の手段がない。在庫があるのに売価が無い商品が3割
売価の欠け・0円・廃盤・重複を集計し、項目ごとに候補を出す。本番には書き込まない
色やサイズの書き方が人によって違う
命名ルールで1,817件の変換案を作り、決めきれない56件を人へ回す。承認後に反映し、全件を読み直して検証
掲載価格と表が食い違い、どちらが正か決まっていない
掲載中の価格と突き合わせ、食い違いと未設定を一覧にする。承認後に512件を更新
共有フォルダに散らばる画像を名前で探す
名前の一致で商品に紐づけ、商品ごとのフォルダへ移す。重複は飛ばす
ページは1件ずつ手入力。カタログは手作業
マスタから商品ページを組み、下書き登録まで進める。在庫・配送はこの上に乗せる
09設計のポイント
人の判断は5回。いずれも「機械で決めきれない件」だけ
- 判断1 採番ルール: 番号に意味を持たせるか。持たせない(連番)と決めると、カテゴリ変更で番号が動かなくなる
- 判断2 点検結果/判断4 売価の正: 売価が無い商品をどう埋めるか、掲載価格と表が食い違ったらどちらを正にするか。価格の判断はマスタ整備の場でやらず、人が決める
- 判断3 命名の要確認/判断5 画像の要否: 1,817件のうち56件だけを目視。画像は判定に揺れがあるので、サンプルで確かめてから移す
AI の外に残るもの
- 価格を決めること。原価から売価を置くような判断は、マスタ整備ではなく人の仕事
- カテゴリの追加。辞書に足してから使う。勝手に増やさない
- 在庫の同期と配送の連携。マスタが整ってから、この上に乗せる(まだ乗っていない)
役割の移動
- 現場: 表を直す人 → 迷った件を決める人。点検・変換・突合は AI が出し、人は候補から選ぶ
- AI: 表計算の補助 → 十数本の表とモールのデータを横断して読み、点検・変換・移行を実行する担当。本番への書き込みは承認後
- 商品マスタ: 表の1つ → 唯一の入力源。商品ページはここから出る
次の分岐
- 商品ページがマスタから出るようになったので、次は在庫の同期(1個売れたら他のモールから引く)をこの上に乗せる
- 配送は、受注データから送り状を出す連携を提案中。人に残るのはシールを貼って送るところまで(候補)
- 次の段階(L3)は、マスタの変更を検知してページ・在庫へ自動で反映する状態(候補)
11まとめ
- 出力側から手をつけず、まずデータを1か所(商品マスタ)に集める。番号は意味を持たない連番にする
- AI が読んで集計し、人は機械で決めきれない件(56件の命名、売価の正、画像の要否)だけを承認する
- 商品ページはマスタから出るようになった。在庫と配送はこの上に乗せる
この記事を書いた人
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