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METHOD

3-2 CRM・マスタの再設計PHASE 3 基盤整備段階 L0 → L2(半自動)L2 半自動

商品マスタを唯一の入力源にして、ページ・在庫・配送をそこから出す。人は迷った件の承認だけ【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「入力の回数」ではなく「唯一の入力源がどこか」です。

インテリア・照明の卸/小売の EC では、在庫表が拠点とカテゴリごとに十数本あり、商品番号は2つの体系が混ざり、同じ商品が重複していました。1商品1行の商品マスタを唯一の入力源にして、商品ページ・在庫・配送を順にそこから出す形に組み替えています。

この記事で得られること
  • 十数本の表と2体系の番号を、1商品1行のマスタに集める設計(商品コードは意味を持たない連番)
  • 人の判断を「採番ルール・点検結果・命名の要確認・売価の正・画像の要否」に絞る考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の商品マスタを同じ形に組み替える手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「入力の回数」ではなく「唯一の入力源がどこか」だ。As-Is では、在庫表が拠点とカテゴリごとに分かれ、商品番号が2体系で混在し、同じ商品が別の行に載っていた。ページやカタログを直しても、元のデータは直らない。To-Be では、意味を持たない連番の商品コードで1商品1行のマスタを作り、AI が移行・点検・商品名の正規化・売価の突合・画像の整理を進める。人がやるのは 採番ルールの承認、点検結果の決定、命名で迷った件の目視承認、売価の正の決定、画像の要否 の判断だけ。商品ページは、このマスタから出るようになった。

商品番号の体系
2体系→1本
意味を持たない8桁の連番に統一。カテゴリは番号に入れず、列で持つ
1本にまとめた商品マスタの件数
1,817件
命名ルールを反映し、全件を読み直して検証した
在庫があるのに売価が出せなかった商品の割合
29%
移行直後の点検で、在庫ありの商品のうち売価が空か0円のもの(354件)
命名で人が目視で承認した件数
56件
1,817件のうち機械で決めきれなかったもの。残りは自動で変換
商品ごとのフォルダへ移した画像
6,300枚
名前の一致で商品に紐づけ、重複を飛ばして移した(3回の合計)

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04全社の業務フローのどこを AI 化したか

全社の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「組織・情報基盤」の4つのステップのうち X-23(CRM・マスタ設計) です。

MANAGEMENT FLOW―全社の業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
組織・情報基盤
STEP 3
会議・情報共有
STEP 4
業務改善・AI化
STEP 5
教育・定着
STEP 6
経営管理
中でやること
1-1 経営目標設定1-2 MVV策定1-3 中期計画策定1-4 重点テーマ決定
2-1 組織・役割設計2-2 置き場・命名ルール設計2-3 CRM・マスタ設計2-4 判断者・完了条件定義
3-1 会議設計3-2 録音・議事録作成3-3 タスク展開3-4 社内共有
4-1 現状把握4-2 AI化リスト作成4-3 優先順位決定4-4 パイロット構築
5-1 推進役育成5-2 マニュアル・テンプレート整備5-3 研修実施5-4 現場展開
6-1 数値集計6-2 経営レポート作成6-3 経営会議運営6-4 振り返り・次期目標設定
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。推進役がスクリプトを起動し、AI は移行から整理まで縦に積み、人は迷った件の承認で止まります。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):現場がすべてを手で持つ。データは表ごと・モールごとに散り、突き合わせる手段がない

工数の正体は作業の遅さではなく、データが1か所にまとまっていないことでした。手を速くしても解決しません。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 AI データ・システム 推進役 現場 AI システム 01 現状の把握 02 採番と構造 03 データの移行 04 点検 05 商品名の正規化 06 売価の突合 07 画像の整理 08 出力の接続 全体を知る人がいない 在庫表が拠点・カテゴリごと に十数本 表計算ファイル 十数本 画像が埋め込まれ、開けない ことがある 番号が2体系で混在 同じ商品が別の行に載る モール別の番号 突き合わせる手段がない 表ごとに入力する 同じ商品を複数の表に書く 点検の手段がない 在庫があるのに売価が無い商 品が3割 表記が人によって違う 色やサイズの書き方が揃わな い 掲載価格と表が食い違う どちらが正か決まっていない モールの管理画面 価格が別々に存在 画像を名前で探す 共有フォルダに散らばる 共有フォルダ 商品との対応が無い 1件ずつ手入力 ページは1件ずつ、カタログ は手作業 DTP ソフト データとレイアウトが一体 開く 照合できない 見比べる 探す 手で作る 推進役はまだ入っていない この時点で AI は入っていない
表は十数本、番号は2体系、重複あり。在庫がある商品の 29% は売価が出せない状態

07After(To-Be):マスタを唯一の入力源にし、AI が移行から整理まで担う。人は迷った件の承認だけ

出力側から手をつけず、まずデータを1か所に集めました。AI が読んで集計し、人は機械で決めきれない件だけを承認します。商品ページはこのマスタから出るようになり、在庫と配送はこの上に乗せる段階です。

人 AI データ・システム 推進役 現場 AI システム 01 現状の把握 02 採番と構造 03 データの移行 04 点検 05 商品名の正規化 06 売価の突合 07 画像の整理 08 出力の接続 方針を決める どこを直すかを判断する 管理の実態を話す カテゴリで管理したい、原価 は入荷ごとに違う 自動 データを全部読む 在庫表・商品データ・素材を 横断して構造を出す 一覧シート 現状が一覧になる 判断 1 採番ルールを承認 意味を持たない連番。原価は ロットで持つ 自動 採番と3シート構成 を設計 商品/入荷/仕入ロットに分 ける 商品マスタ(器) 1商品1行 自動 元の表を流し込む 全列を取り込み、移行元の行 を保持する 商品マスタ 1,850行 判断 2 決めることを決める 売価の埋め方、0円の意味 自動 欠け・重複・廃盤を 集計 本番には書き込まず、読むだ け 点検リスト(CSV) 項目ごとに件数と候補 判断 3 要確認56件を目視で承認 同名はカテゴリ違いなら許容 自動 命名ルールで変換案 を作る 1,817件。決めきれない分は 人へ 商品マスタ 反映前の控えを退避 判断 4 どちらを正にするか決める 掲載中の価格を正とした 自動 掲載中の価格と突き 合わせる 食い違いと未設定を一覧にし 、承認後に反映 モールの API/商品マス タ 512件を更新 判断 5 移す・移さないを決める 判定に揺れがあればサンプル で確認 自動 名前の一致で商品に 紐づけて移す 同名同容量の重複は飛ばす 商品フォルダ 1商品1フォルダ 確かめて画像を差す 商品ページの下書きを見る 自動 マスタから商品ペー ジを組む コードを入れると原稿・画像 の指示・下書き登録まで モール(下書き) 在庫・配送はこの上に乗せる (次) 聞く 伝える 案を渡す 結果を渡す 要確認を渡す 食い違いを渡す 要否を伝える 下書きを渡す 出す 器を作る 流し込む 出力 反映 反映 移す 下書き登録 移行と集計に人の作業はない 確認は推進役
人に残るのは 5回の判断(採番ルール・点検結果・命名の要確認56件・売価の正・画像の要否)。時間は未計測

商品マスタを AI 化する手順

  1. 現状の把握:データを全部読む:在庫表・商品データ・素材を横断して構造を出す
  2. 採番と構造:採番と3シート構成を設計:商品/入荷/仕入ロットに分ける
  3. データの移行:元の表を流し込む:全列を取り込み、移行元の行を保持する
  4. 点検:欠け・重複・廃盤を集計:本番には書き込まず、読むだけ
  5. 商品名の正規化:命名ルールで変換案を作る:1,817件。決めきれない分は人へ
  6. 売価の突合:掲載中の価格と突き合わせる:食い違いと未設定を一覧にし、承認後に反映
  7. 画像の整理:名前の一致で商品に紐づけて移す:同名同容量の重複は飛ばす
  8. 出力の接続:マスタから商品ページを組む:コードを入れると原稿・画像の指示・下書き登録まで

08工程ごとの担当の変化

8工程の形は変えず、読む・集計する・変換する作業を AI に移しました。人に残るのは 機械で決めきれない件の承認 だけです。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
01現状の把握
手作業

全体を知る人がいない。在庫表が拠点・カテゴリごとに十数本

→
AI が自動

AI が在庫表・商品データ・素材を横断して読み、構造と壊れ方を一覧にする

02採番と構造
手作業

番号が2体系で混在し、同じ商品が別の行に載る

→
AI が自動

意味を持たない連番で採番し、商品・入荷・仕入ロットの3シートに分ける

03データの移行
手作業

表ごとに入力し、同じ商品を複数の表に書く

→
AI が自動

元の表を全列取り込み、移行元の行を保持したまま1本にする

04点検
手作業

点検の手段がない。在庫があるのに売価が無い商品が3割

→
AI が自動

売価の欠け・0円・廃盤・重複を集計し、項目ごとに候補を出す。本番には書き込まない

05商品名の正規化
手作業

色やサイズの書き方が人によって違う

→
AI が自動

命名ルールで1,817件の変換案を作り、決めきれない56件を人へ回す。承認後に反映し、全件を読み直して検証

06売価の突合
手作業

掲載価格と表が食い違い、どちらが正か決まっていない

→
AI が自動

掲載中の価格と突き合わせ、食い違いと未設定を一覧にする。承認後に512件を更新

07画像の整理
手作業

共有フォルダに散らばる画像を名前で探す

→
AI が自動

名前の一致で商品に紐づけ、商品ごとのフォルダへ移す。重複は飛ばす

08出力の接続
手作業

ページは1件ずつ手入力。カタログは手作業

→
AI が自動

マスタから商品ページを組み、下書き登録まで進める。在庫・配送はこの上に乗せる

09設計のポイント

01

人の判断は5回。いずれも「機械で決めきれない件」だけ

  1. 判断1 採番ルール: 番号に意味を持たせるか。持たせない(連番)と決めると、カテゴリ変更で番号が動かなくなる
  2. 判断2 点検結果/判断4 売価の正: 売価が無い商品をどう埋めるか、掲載価格と表が食い違ったらどちらを正にするか。価格の判断はマスタ整備の場でやらず、人が決める
  3. 判断3 命名の要確認/判断5 画像の要否: 1,817件のうち56件だけを目視。画像は判定に揺れがあるので、サンプルで確かめてから移す
02

AI の外に残るもの

  1. 価格を決めること。原価から売価を置くような判断は、マスタ整備ではなく人の仕事
  2. カテゴリの追加。辞書に足してから使う。勝手に増やさない
  3. 在庫の同期と配送の連携。マスタが整ってから、この上に乗せる(まだ乗っていない)
03

役割の移動

  1. 現場: 表を直す人 → 迷った件を決める人。点検・変換・突合は AI が出し、人は候補から選ぶ
  2. AI: 表計算の補助 → 十数本の表とモールのデータを横断して読み、点検・変換・移行を実行する担当。本番への書き込みは承認後
  3. 商品マスタ: 表の1つ → 唯一の入力源。商品ページはここから出る
04

次の分岐

  1. 商品ページがマスタから出るようになったので、次は在庫の同期(1個売れたら他のモールから引く)をこの上に乗せる
  2. 配送は、受注データから送り状を出す連携を提案中。人に残るのはシールを貼って送るところまで(候補)
  3. 次の段階(L3)は、マスタの変更を検知してページ・在庫へ自動で反映する状態(候補)

11まとめ

  • 出力側から手をつけず、まずデータを1か所(商品マスタ)に集める。番号は意味を持たない連番にする
  • AI が読んで集計し、人は機械で決めきれない件(56件の命名、売価の正、画像の要否)だけを承認する
  • 商品ページはマスタから出るようになった。在庫と配送はこの上に乗せる

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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