METHOD
広告動画制作フロー As-Is と To-Be【業務フロー・指示文付き】
変わるのは「動画を切る人」ではなく「訴求と秒数を決める場所」です。
商品ごとの縦型広告動画(9:16)を、素材動画からCapCutで仕上げるまでの工程を、誰がどこで何を判断しているかで並べた。To-Be はスキル 広告動画スキル を実装した後の流れ。 実施したのは EC 運営会社の案件で、1商品で実走した。
- 広告動画の制作を「編集者が編集ソフトの中で全部決める」から「AI が素材を構造化し、台本3案とカット8本まで出す」に変える設計
- 訴求・パターン・レビューの3回に人の判断を固定し、修正を編集ソフトではなく台本の再生成で済ませる考え方
- 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の動画制作を同じ形に組み替える手順
下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。
業務フローと AI への指示文
この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。
- 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
- AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます
01結論:何が変わるのか
変わるのは「動画を切る人」ではなく「訴求と秒数を決める場所」だ。As-Is では、訴求もカット位置も秒数も編集者の CapCut 作業の中で同時に決まり、判断は配信後の修正依頼という形でしか現れない。To-Be では、スキルが素材の中身を構造化し、訴求整理と台本 3 案と 8 本のカットまでを出す。人が決めるのは 訴求(判断1)・パターン(判断2)・レビュー(判断3) の 3 回で、CapCut の仕事は「選ぶ」から「仕上げる」に縮む。修正は台本の再生成で済み、CapCut に戻らない。
AI で動画そのものを生成する方法も試しましたが、形の複雑な商品は別物になります。だから既存の素材を切る方式にしました。仕上げの編集ソフトは残し、台本とカットだけを AI に寄せています。
02出来上がったもの

画面は社名・個人情報・金額を伏せるためぼかしています。
03AI 化の進め方、6つのフェーズ
大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。
04マーケの業務フローのどこを AI 化したか
マーケの仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「制作」の4つのステップのうち M-31〜M-32(コピー・原稿作成〜画像・動画制作) です。
05効率化の段階
この業務は L1(AI補助)から L2(半自動) へ。起点が「編集者が素材を開く」から「商品IDでスキルを起動する」に移り、AI の列に素材把握・訴求整理・台本・カットが縦に積み、人は3回の判断と仕上げだけになりました。
06Before(As-Is):As-Is 編集者が CapCut の中で全部決めている
EC運営会社 が編集者向けに配っているマニュアル「クリエイティブ作成ver02」の手順をそのまま並べた。AI が関わるのは工程 3 のキャプション文生成だけで、その出力を「そのまま使う」指示になっている。訴求を誰かが選ぶ工程はない。
07After(To-Be):To-Be スキルが台本とカットまで出し、人は 3 回だけ決める
スキル本文(.claude/commands広告動画スキル.md)のフェーズ 1 → 1.5 → 2 → 3 を、As-Is と同じ列の並びに展開した。フェーズ 1.5(訴求整理)と フェーズ 2 の末尾(A/B/C 選択)は「ユーザー選択を必ず待つ」と明記されており、これが判断 1・2 になる。
広告動画制作を AI 化する手順
- 起動:商品IDを指定:/create-ad-video
- 素材把握:素材インベントリ:ffmpeg 1fps → Gemini tone 4軸
- 訴求整理:訴求軸を強度順に提示:CT/CU 列を読む
- 台本:台本 A/B/C:トンマナ評価付き
- カット生成:ffmpeg カット8本:9:16プレビュー SRT・台本md
- 仕上げ:CapCutで仕上げ:8本+SRT読込 音源差替・書き出し
- 納品:GIF・Drive格納:CS列・チェックリスト
- 入稿:Meta広告管理画面:にアップロード 広告設定
- レビュー:定例レビュー:△×のカットに 絞って議論
08工程ごとの担当の変化
工程の形は変えず、素材把握・台本・秒数・カットを AI に移しました。人に残るのは 訴求・パターン・レビューの3回の判断 と、編集ソフトでの仕上げ・入稿です。
編集者が全素材を目視。画質・文字被り・人物の 4 項目を確認
ffmpeg で 1 fps 抽出 → Gemini Vision で tone 4 軸を分類 → シーン単位の inventory.yaml
実質なし。CQ 列のプロンプトを Claude に貼り、出たキャプションをそのまま使う
スキルが CT/CU 列から訴求軸を強度順に提示。ディレクターがターゲット 1・訴求軸 2・フックを選ぶ
なし。キャプション文だけが存在し、構成は編集者の頭の中
A/B/C の 3 案を、各カットの素材・in/out・秒数・訴求列・トンマナ評価(◎○△×)付きで生成
キャプションの表示タイミングに合わせ、編集者の感覚で決める
読み上げの長さから、カットごとの秒数を自動で計算
なし(1 本を作って配信後に判断)
3 案の表を見て A/B/C を選ぶ。選ぶまで ffmpeg は動かない
CapCut 上で素材を探して切る
ffmpeg で 8 本を切り出し、9:16 の連結プレビューと SRT・台本 md を Drive に保存
キャプション挿入・カット・音源差替を一度に
8 本と SRT を読み込み、テロップ流し込み・音源差替・書き出し
編集後にチェックリスト(動画広告/音源タブ)
台本段階で ◎○△× が付いている。定例レビューは △× のカットに絞る
修正依頼 → CapCut で再編集
修正方針 → 台本を再生成 → 再カット
09設計のポイント
人の判断は 3 回に固定する
- 判断1 訴求:スキルは強度と素材の有無を根拠に第一候補を出すが、決めるのは人。ここを飛ばすと台本は一般論の羅列になる
- 判断2 パターン:A/B/C を選ぶまで ffmpeg を動かさない。API 費用と手戻りの両方をここで止める
- 判断3 レビュー:定例で評価列の △× を中心に議論する。◎○ のカットは議題に上げない
スキルの外に残るもの
- CapCut の仕上げ:テロップの見た目・音源・書き出しは人。CapCut の自動化は、本数が増えたときに再検討
- GIF・Drive 格納・広告入稿:既存マニュアルのまま。担当も変えない
- 素材の撮影・収集:BX〜CB 列に URL を入れる工程は EC運営会社 側。素材が弱いときに AI 生成で補う方針は取らない
役割の移動
- 編集者:素材選定・構成・秒数の判断を手放し、つなぎと音源に専念する。1 本あたりの CapCut 作業時間が縮む
- ディレクター:As-Is では存在しなかった役割。実走時は支援側が担ったが、判断1〜3 は商品理解があれば先方の担当者に移せる
- Claude:チャットに貼る道具から、Sheet と Drive を自分で読み書きする担当に変わる
次の分岐
- 本数が増えたら、仕上げも自動側へ
- 判断1 を先方の担当者に移すには、訴求とシーンの候補が事前に埋まっていることが前提
11まとめ
- 素材の中身を構造化データにし、台本側から参照できるようにする。ここから AI が台本とカットを出せる
- 人の判断は訴求・パターン・レビューの3回に固定し、選ぶまで次の処理を動かさない
- 修正は編集ソフトに戻らず、台本の再生成で済ませる。仕上げの自動化は本数が増えてから
この記事を書いた人
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