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METHOD

4-3 周辺業務への展開PHASE 4 業務AI化段階 L1 → L2(半自動)L2 半自動

広告動画制作フロー As-Is と To-Be【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「動画を切る人」ではなく「訴求と秒数を決める場所」です。

商品ごとの縦型広告動画(9:16)を、素材動画からCapCutで仕上げるまでの工程を、誰がどこで何を判断しているかで並べた。To-Be はスキル 広告動画スキル を実装した後の流れ。 実施したのは EC 運営会社の案件で、1商品で実走した。

この記事で得られること
  • 広告動画の制作を「編集者が編集ソフトの中で全部決める」から「AI が素材を構造化し、台本3案とカット8本まで出す」に変える設計
  • 訴求・パターン・レビューの3回に人の判断を固定し、修正を編集ソフトではなく台本の再生成で済ませる考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の動画制作を同じ形に組み替える手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「動画を切る人」ではなく「訴求と秒数を決める場所」だ。As-Is では、訴求もカット位置も秒数も編集者の CapCut 作業の中で同時に決まり、判断は配信後の修正依頼という形でしか現れない。To-Be では、スキルが素材の中身を構造化し、訴求整理と台本 3 案と 8 本のカットまでを出す。人が決めるのは 訴求(判断1)・パターン(判断2)・レビュー(判断3) の 3 回で、CapCut の仕事は「選ぶ」から「仕上げる」に縮む。修正は台本の再生成で済み、CapCut に戻らない。

太田 壮哉
太田 壮哉の実践アドバイス

AI で動画そのものを生成する方法も試しましたが、形の複雑な商品は別物になります。だから既存の素材を切る方式にしました。仕上げの編集ソフトは残し、台本とカットだけを AI に寄せています。

人が判断する回数
3 回
訴求・パターン・レビューの3回。選ぶまで次の処理を動かさない。設計値
スキルが切り出すカット数
8 本
台本の各カットを切り出し、9:16 のプレビューと字幕まで出す。設計値
To-Be で1本にかかる時間(実演時の目安)
7分半 + 2分
素材取得から台本・カット・字幕・保存までが約7分半、編集ソフトでの仕上げが約2分。実演時の発言で、計測の手順は未確認

02出来上がったもの

広告動画制作フロー As-Is/To-Be(原本)
広告動画制作フロー As-Is/To-Be(原本)

画面は社名・個人情報・金額を伏せるためぼかしています。

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04マーケの業務フローのどこを AI 化したか

マーケの仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「制作」の4つのステップのうち M-31〜M-32(コピー・原稿作成〜画像・動画制作) です。

MARKETING FLOW―マーケの業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
調査・企画
STEP 3
制作
STEP 4
配信・公開
STEP 5
顧客育成
STEP 6
分析・改善
中でやること
1-1 市場・顧客分析1-2 ターゲット設計1-3 訴求軸設計1-4 チャネル・KPI設計
2-1 調査課題設定2-2 調査実施2-3 インサイト抽出2-4 施策・テーマ企画
3-1 コピー・原稿作成3-2 画像・動画制作3-3 品質・権利確認3-4 公開前承認
4-1 広告入稿・配信4-2 記事・LP公開4-3 SNS投稿4-4 メール配信
5-1 セグメント設計5-2 シナリオ設計5-3 コメント・レビュー対応5-4 見込み客引き渡し
6-1 効果測定6-2 分析・改善案作成6-3 広告・記事差し替え6-4 型・テンプレート更新
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L1(AI補助)から L2(半自動) へ。起点が「編集者が素材を開く」から「商品IDでスキルを起動する」に移り、AI の列に素材把握・訴求整理・台本・カットが縦に積み、人は3回の判断と仕上げだけになりました。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):As-Is 編集者が CapCut の中で全部決めている

EC運営会社 が編集者向けに配っているマニュアル「クリエイティブ作成ver02」の手順をそのまま並べた。AI が関わるのは工程 3 のキャプション文生成だけで、その出力を「そのまま使う」指示になっている。訴求を誰かが選ぶ工程はない。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 AI データ・システム 担当者 ディレクション・入稿 編集者 外部スタッフ Claude チャットに貼付 データ・システム Sheet / Drive / Meta 01 素材登録 02 素材DL 03 キャプション 04 編集 05 チェック 06 GIF 07 納品 08 入稿 09 修正 素材URLを登録 マスタ BX〜CB列 商品マスタ BX〜CB列 素材をDL 画質・文字被り・ 人物を目視確認 CQ列プロンプト+ 素材動画を貼付 訴求キャプション を生成 CapCutで編集 キャプション挿入 カット・音源差替 チェックリスト 動画広告/音源 E列を「完了」に チェックリスト Sheet → CV列 GIF作成 10秒・無音 Google Docs DL → Drive格納 URLをCS列へ Drive 商品別フォルダ Meta広告管理画面 にアップロード 広告設定 Meta 広告管理画面 配信後に判断 修正依頼 修正対応 URL 貼付 そのまま使う Drive URL 書く 格納 格納 再編集(CapCut作業からやり直し)
As-Is:人の列は 2 本、AI の列は 1 本。素材の把握・カット位置・秒数・音源の判断はすべて編集者の列の工程 4(CapCut 編集)に集中し、AI の列は工程 3 に 1 つあるだけ。品質判定は編集後のチェックリスト、訴求の判断は配信後の修正依頼として事後に現れる。右を回り込む破線が、工程 4 まで戻る手戻り。

07After(To-Be):To-Be スキルが台本とカットまで出し、人は 3 回だけ決める

スキル本文(.claude/commands広告動画スキル.md)のフェーズ 1 → 1.5 → 2 → 3 を、As-Is と同じ列の並びに展開した。フェーズ 1.5(訴求整理)と フェーズ 2 の末尾(A/B/C 選択)は「ユーザー選択を必ず待つ」と明記されており、これが判断 1・2 になる。

人 AI データ・システム ディレクター 判断する人 編集者 CapCut 担当者 入稿 Claude Code 広告動画スキル データ・システム Sheet / Drive 01 起動 02 素材把握 03 訴求整理 04 台本 05 カット生成 06 仕上げ 07 納品 08 入稿 09 レビュー 商品IDを指定 広告動画スキル マスタシート BY列 素材Drive 素材インベントリ ffmpeg 1fps → Gemini tone 4軸 inventory.yaml シーン・tone 判断 1 ターゲット1 訴求軸2・フック を選ぶ 訴求軸を強度順に提 示 CT/CU 列を読む 判断 2 パターンを選ぶ ここで停止 台本 A/B/C トンマナ評価付き ffmpeg カット8本 9:16プレビュー SRT・台本md カット済み素材 日付_パターン_v4 CapCutで仕上げ 8本+SRT読込 音源差替・書き出し GIF・Drive格納 CS列・チェックリスト Drive 商品別フォルダ Meta広告管理画面 にアップロード 広告設定 判断 3 定例レビュー △×のカットに 絞って議論 商品ID YAML 候補提示 訴求整理シート 3案 A/B/C 8本+SRT Drive URL 配信結果 読む 書く 保存 格納 修正方針 → 台本を再生成(CapCutに戻らない)
To-Be:AI の列に工程 2〜5 が縦に積み上がり、人の列は判断ゲート 3 つ(ディレクター)と仕上げ・納品(編集者)・入稿(担当者)だけになる。As-Is と同じ並びで見比べると、仕事の重心が人の列から AI の列へ移っているのが列の詰まり方で分かる。右を回り込む破線は CapCut ではなく台本(工程 4)に戻る。

広告動画制作を AI 化する手順

  1. 起動:商品IDを指定:/create-ad-video
  2. 素材把握:素材インベントリ:ffmpeg 1fps → Gemini tone 4軸
  3. 訴求整理:訴求軸を強度順に提示:CT/CU 列を読む
  4. 台本:台本 A/B/C:トンマナ評価付き
  5. カット生成:ffmpeg カット8本:9:16プレビュー SRT・台本md
  6. 仕上げ:CapCutで仕上げ:8本+SRT読込 音源差替・書き出し
  7. 納品:GIF・Drive格納:CS列・チェックリスト
  8. 入稿:Meta広告管理画面:にアップロード 広告設定
  9. レビュー:定例レビュー:△×のカットに 絞って議論

08工程ごとの担当の変化

工程の形は変えず、素材把握・台本・秒数・カットを AI に移しました。人に残るのは 訴求・パターン・レビューの3回の判断 と、編集ソフトでの仕上げ・入稿です。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
素材の把握
手作業

編集者が全素材を目視。画質・文字被り・人物の 4 項目を確認

→
AI が自動

ffmpeg で 1 fps 抽出 → Gemini Vision で tone 4 軸を分類 → シーン単位の inventory.yaml

訴求の決定
手作業

実質なし。CQ 列のプロンプトを Claude に貼り、出たキャプションをそのまま使う

→
人の判断

スキルが CT/CU 列から訴求軸を強度順に提示。ディレクターがターゲット 1・訴求軸 2・フックを選ぶ

台本
手作業

なし。キャプション文だけが存在し、構成は編集者の頭の中

→
AI が自動

A/B/C の 3 案を、各カットの素材・in/out・秒数・訴求列・トンマナ評価(◎○△×)付きで生成

秒数
手作業

キャプションの表示タイミングに合わせ、編集者の感覚で決める

→
AI が自動

読み上げの長さから、カットごとの秒数を自動で計算

パターン選択
手作業

なし(1 本を作って配信後に判断)

→
人の判断

3 案の表を見て A/B/C を選ぶ。選ぶまで ffmpeg は動かない

カット
手作業

CapCut 上で素材を探して切る

→
AI が自動

ffmpeg で 8 本を切り出し、9:16 の連結プレビューと SRT・台本 md を Drive に保存

仕上げ
手作業

キャプション挿入・カット・音源差替を一度に

→
手作業

8 本と SRT を読み込み、テロップ流し込み・音源差替・書き出し

品質判定
手作業

編集後にチェックリスト(動画広告/音源タブ)

→
人の判断

台本段階で ◎○△× が付いている。定例レビューは △× のカットに絞る

修正
手作業

修正依頼 → CapCut で再編集

→
AI が自動

修正方針 → 台本を再生成 → 再カット

GIF・格納・入稿
スキルの外。今回は触らない 同じ

09設計のポイント

01

人の判断は 3 回に固定する

  1. 判断1 訴求:スキルは強度と素材の有無を根拠に第一候補を出すが、決めるのは人。ここを飛ばすと台本は一般論の羅列になる
  2. 判断2 パターン:A/B/C を選ぶまで ffmpeg を動かさない。API 費用と手戻りの両方をここで止める
  3. 判断3 レビュー:定例で評価列の △× を中心に議論する。◎○ のカットは議題に上げない
02

スキルの外に残るもの

  1. CapCut の仕上げ:テロップの見た目・音源・書き出しは人。CapCut の自動化は、本数が増えたときに再検討
  2. GIF・Drive 格納・広告入稿:既存マニュアルのまま。担当も変えない
  3. 素材の撮影・収集:BX〜CB 列に URL を入れる工程は EC運営会社 側。素材が弱いときに AI 生成で補う方針は取らない
03

役割の移動

  1. 編集者:素材選定・構成・秒数の判断を手放し、つなぎと音源に専念する。1 本あたりの CapCut 作業時間が縮む
  2. ディレクター:As-Is では存在しなかった役割。実走時は支援側が担ったが、判断1〜3 は商品理解があれば先方の担当者に移せる
  3. Claude:チャットに貼る道具から、Sheet と Drive を自分で読み書きする担当に変わる
04

次の分岐

  1. 本数が増えたら、仕上げも自動側へ
  2. 判断1 を先方の担当者に移すには、訴求とシーンの候補が事前に埋まっていることが前提

11まとめ

  • 素材の中身を構造化データにし、台本側から参照できるようにする。ここから AI が台本とカットを出せる
  • 人の判断は訴求・パターン・レビューの3回に固定し、選ぶまで次の処理を動かさない
  • 修正は編集ソフトに戻らず、台本の再生成で済ませる。仕上げの自動化は本数が増えてから

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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出典: 社内マニュアル・スキル本文・運用の記録(社名・固有名詞は伏せています)
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