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METHOD

6-2 改善・型の更新PHASE 6 定着・改善PHASE 4 業務AI化段階 L0 → L2(半自動)L2 半自動

商談録画を同じ物差しで採点し、商談ストーリーを組み直す。人は型と直す点を決めるだけ【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「商談の良し悪しを語る人」ではなく「同じ物差しで数字が出ること」です。

商談の良し悪しは、見た人の印象で語られがちである。コンサル・人材育成の会社で、世に出ているクロージング項目の枠組みを土台に型を作り、先方用の採点シートに落として、過去の商談録画を同じ物差しで採点した。受注と失注で差が出た項目から型化の提案を1本のレビューにし、商談ストーリーを一次・二次に分けて組み直している。商談が始まったら、毎回同じ項目で採点して振り返る。

この記事で得られること
  • 世に出ているクロージング項目の枠組みを土台に自社の型を作り、先方用の採点シートに落とす設計
  • 受注と失注を同じ項目で並べ、差が大きい項目から「毎回やること」と「この一言にはこの一言を返す」を型にする考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の商談録画を同じ物差しで採点する手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「商談の良し悪しを語る人」ではなく「同じ物差しで数字が出ること」だ。As-Is では、上司が録画を見られた商談だけに印象でコメントが付き、受注と失注を同じ項目で並べる場がない。だから「なぜ取れたか」が人の中に残る。To-Be では、世に出ているクロージング項目の枠組みを土台に型を決め、採点シートに落とし、AI が全件を同じ項目で採点して受注と失注の差を出す。人が決めるのは 何を物差しにするか(判断1)・差からどの型を提案するか(判断2)・次の商談で何を直すか(判断3) の3回。ただし採点の基準は AI の分析だけでは決まらない。何を項目にするかには、その業界の知識を持つ人が要る。

太田 壮哉
太田 壮哉の実践アドバイス

採点の物差しは、ゼロから作りません。世に出ているクロージング項目の枠組みを土台に、自社の型にしてから先方用に落とします。ただし、何を項目にするかは AI の分析だけでは決まりません。ハイプレイヤーの動きを標準にする部分に、その業界の知識を持つ人が要ります。

人が判断する回数
3回
何を物差しにするか・差からどの型を提案するか・次の商談で何を直すか。採点と比較に人は入らない
AI が担う工程の数
4 / 9 工程
採点・受注と失注の比較・レビューの組み立て・商談ごとの採点。型を決めるのと、ストーリーを組むのは人
商談ストーリーの分け方
一次/二次
商談ごとにゴールデンゴールとシルバーゴールを置き、ヒアリング項目とクロージング項目を整理する

02出来上がったもの

商談レビュー(録画→採点表→受注と失注の差)
商談レビュー(録画→採点表→受注と失注の差)

画面は社名・個人情報・金額を伏せるためぼかしています。

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04営業の業務フローのどこを AI 化したか

営業の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「商談・提案」の5つのステップのうち S-41〜S-42(商談実施・記録〜議事録作成) です。

SALES FLOW―営業の業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
リード獲得
STEP 3
商談準備
STEP 4
商談・提案
STEP 5
受注・契約
STEP 6
顧客フォロー
中でやること
1-1 顧客像(ICP)定義1-2 市場・競合分析1-3 提供価値設計1-4 営業プロセス設計
2-1 ターゲットリスト作成2-2 企業・担当者調査2-3 アプローチ文面作成2-4 架電・メール実行2-5 アポイント獲得
3-1 顧客・業界調査3-2 課題仮説設計3-3 商談資料作成3-4 日程調整
4-1 商談実施・記録4-2 議事録作成4-3 提案書作成4-4 見積書作成4-5 次アクション連絡
5-1 条件交渉・社内承認5-2 契約書作成・締結5-3 受注データ登録5-4 請求連携
6-1 顧客情報更新6-2 案件・売上予測6-3 定例・報告6-4 アップセル提案6-5 振り返り・コーチング
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。人が録画と採点シートを渡して起動し、AI が採点 → 比較 → レビューの組み立てを縦に積む。判断は3回に固定した。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):評価は上司の印象と記憶。受注と失注を同じ項目で並べる場がない

録画は残るが、見返す人の時間が無い。見られた商談にだけ口頭でコメントが付き、なぜ取れたか・なぜ落ちたかは人の中に残る。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 AI データ・システム 推進役 現場 AI システム 01 型の設計 02 採点シート化 03 録画の収集 04 採点 05 差の抽出 06 型化の提案 07 商談ストーリー 08 毎回の採点 09 振り返り 勝ち方が頭の中 言葉にしていない シートがない 項目は見る人で変わる 商談する 録画は残る 録画 会議ツールに溜まる 録画を見る 全件は見られない 録画 見返す前提がない 感覚で語る 受注と失注を並べない 口頭で助言 その場限りで残らない 聞く メモは各自 各自で組む 一次と二次を分けない 採点はない 商談は流れていく 記憶で振り返る 次回に残らない 見てもらう 口頭 録画 見る この時点で AI は入っていない 型は現場に渡っていない
9工程のうち、型・採点シート・比較は存在しない。評価は上司が見られた分だけ(時間は計測していない)

07After(To-Be):同じ9工程で、採点と比較は AI が全件に通す。人は型・提案・直す点を決める

工程は増やしていない。型と採点シートを人が決め、AI が録画を同じ物差しで採点し、受注と失注の差からレビューを組む。商談が始まったら、同じ項目で毎回採点する(運用はこれから)。

人 AI データ・システム 推進役 現場 AI システム 01 型の設計 02 採点シート化 03 録画の収集 04 採点 05 差の抽出 06 型化の提案 07 商談ストーリー 08 毎回の採点 09 振り返り 判断 1 型を決める 公開された枠組みを土台に自 社の型へ 参照する枠組み 公開されているクロージング 項目 先方用に落とす 項目と配点を決める 採点シート 項目と配点が1枚に 商談する 録画を所定の場所に残す 録画 所定の置き場 自動 同じ物差しで採点 全件を同じ項目で○×に 採点結果 案件×項目の表 自動 受注と失注を比べる 差が大きい項目を出す 判断 2 提案を決める 差から毎回やることを選ぶ 自動 レビューを組む 要点→差→強み→型化の提案 商談レビュー 1本の文書 ストーリーを組む 一次・二次、金と銀のゴール 項目を確認 ヒアリングとクロージング 商談ストーリー 採点シートと同じ項目 録画を入れる 商談ごとに 自動 毎回採点 同じ項目で前回と比べる 採点の履歴 商談ごとに溜まる 判断 3 直す点を決める 次の商談で1つ直す 採点させる 録画を渡す レビューを渡す 項目を渡す 入れる 結果を渡す 土台にする 書く 残す 記録 格納 書く 蓄積 現場にはレビューと直す点が戻る
人に残る作業は、型を決める・差を読んで提案を決める・ストーリーを組む・振り返りで直す点を決める(時間は計測していない)
商談の録音・録画を AI に入れる前に確認すること
  • 録音・録画は、商談の冒頭で目的(記録の正確性・社内での振り返り)と範囲を伝え、断られたら録らない
  • 録音には相手の発言が含まれる。AI に入れるときは、入力を学習に使わない契約のサービス(法人プランか API)に限り、相手の社名・個人名は必要がなければ外す
  • 採点の対象は自社の営業担当のトーク。相手の評価や与信の判断には使わない
  • 録音の保存場所・保存期間・閲覧できる人を決め、社外に出さない

商談分析・ストーリーを AI 化する手順

  1. 型の設計:型を決める:公開された枠組みを土台に自社の型へ
  2. 採点シート化:先方用に落とす:項目と配点を決める
  3. 録画の収集:商談する:録画を所定の場所に残す
  4. 採点:同じ物差しで採点:全件を同じ項目で○×に
  5. 差の抽出:受注と失注を比べる:差が大きい項目を出す
  6. 型化の提案:レビューを組む:要点→差→強み→型化の提案
  7. 商談ストーリー:ストーリーを組む:一次・二次、金と銀のゴール
  8. 毎回の採点:毎回採点:同じ項目で前回と比べる
  9. 振り返り:直す点を決める:次の商談で1つ直す

08工程ごとの担当の変化

採点と比較だけを AI に移した。型を決める・提案を選ぶ・ストーリーを組む・直す点を決めるは人に残る。同じ物差しで数字が出るので、人は差を読むところから始められる。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
01型の設計
手作業

勝ち方は頭の中。言葉になっていないので、見る人が変わると評価も変わる

→
人の判断

公開されているクロージング項目の枠組みを土台に、自社の商談の型を決める

02採点シート化
手作業

シートがない。項目は見る人で変わる

→
手作業

型を先方用の採点シートに落とす。項目と配点を決める

03録画の収集
手作業

録画は残るが、見返す前提がない

→
手作業

商談を録画し、所定の場所に残す

04採点
手作業

上司が見られた分だけ、印象で評価する

→
AI が自動

AI が全件を同じ項目で採点する

05差の抽出
手作業

受注と失注を並べない。感覚で語る

→
AI が自動

AI が受注と失注を比べ、差が大きい項目を出す

06型化の提案
手作業

口頭で助言する。その場限りで残らない

→
人の判断

AI がレビューを組み、人が差から「毎回やること」と「この一言にはこの一言を返す」を選ぶ

07商談ストーリー
手作業

各自で組む。一次と二次を分けない

→
手作業

一次・二次に分け、商談ごとにゴールデンゴールとシルバーゴールを置き、ヒアリング項目とクロージング項目を整理する

08毎回の採点
手作業

採点はない。商談は流れていく

→
AI が自動

商談ごとに録画を入れ、AI が同じ項目で採点して前回と比べる

09振り返り
手作業

記憶で振り返る。次回に残らない

→
人の判断

採点を読み、次の商談で直す点を1つ決める

09設計のポイント

01

人の判断は3回に固定する

  1. 判断1 何を物差しにするか: 公開されているクロージング項目の枠組みを土台に、自社の商談の型を決める。AI の分析だけでは決まらない。ハイプレイヤーの動きを標準にする部分に、その業界の知識を持つ人が要る
  2. 判断2 どの型を提案するか: 受注と失注で差が大きかった項目から、「毎回やること」と「この一言にはこの一言を返す」を選ぶ。レビューは1本にまとめ、案件ごとの振り返りと、いま動かせる案件まで付ける
  3. 判断3 次に何を直すか: 商談ごとの採点を読み、次の商談で直す点を1つに絞る。全部直そうとしない
02

AI の外に残るもの

  1. 商談そのもの。採点は録画から行い、商談中に点数を気にしない
  2. 一次と二次の商談ストーリー。ゴールデンゴール・シルバーゴールと、ヒアリング項目・クロージング項目の整理は人が組む
  3. レビューを渡す相手との対話。レビューは先方の代表に向けて書き、型化の提案として一緒に読む
03

役割の移動

  1. 営業責任者: 録画を見て語る人 → 物差しを決め、差を読む人
  2. AI: 文字起こしの道具 → 全件を同じ項目で採点し、受注と失注の差を出す担当
  3. 採点シート: 無い → 採点・ストーリー・振り返りが同じ項目でつながる土台
04

次の分岐

  1. 商談が始まったら、商談ごとの採点を定例に載せる。進捗を見る場と、商談の質を見る場を分ける
  2. 差が出やすいのは、結論日・決裁ルート・意思決定者といったクロージング項目を聞けているか。ここを一次商談のゴールに置き、一次から二次への移行率を見る
  3. 次の段階(L3)は、録画を所定の場所に置いた時点で採点が走る形(候補)

11まとめ

  • 採点の物差しは、公開されているクロージング項目の枠組みを土台に自社の型にし、先方用の採点シートに落とす。何を項目にするかは人が決める
  • AI が全件を同じ項目で採点し、受注と失注の差を出す。人は差を読んで「毎回やること」を選ぶ
  • 商談ストーリーは一次・二次に分け、商談ごとにゴールデンゴールとシルバーゴールを置く。商談が始まったら毎回採点して振り返る

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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出典: 社内マニュアル・スキル本文・運用の記録(社名・固有名詞は伏せています)
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