METHOD
ハイプレイヤーの商談を、理由つきのスクリプトと同じ項目の採点シートに落とす【業務フロー・指示文付き】
変わるのは「うまい人の勘」ではなく、「同じ項目で、教え方と採点が揃うこと」です。
EC系SaaS で、トップの営業の動きを「なぜ聞くのか・なぜ伝えるのか」の理由つきで項目に分け、商談スクリプトにした。同じ項目に配点を付け、ロープレと面談の採点シートにし、版を固定して管理している。差が出たのは、冒頭でゴールの合意を取れているかと、終盤で次の約束を押さえられているかだった。法人設立前に、代表が個人として受託した案件である。
- トップの営業の動きを、フェーズ/大項目/中項目に分け、「なぜ聞くのか・なぜ伝えるのか」の理由を付けてスクリプトにする設計
- スクリプトと同じ中項目に配点を付け、ロープレと面談の採点シートにして、教え方と採点を揃える考え方
- 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社のハイプレイヤーの商談を同じ列に落とす手順
下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。
業務フローと AI への指示文
この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。
- 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
- AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます
01結論:何が変わるのか
変わるのは「うまい人の勘」ではなく「同じ項目で、教え方と採点が揃うこと」だ。As-Is では、ハイプレイヤーの流れは本人の頭の中にあり、なぜそこで聞くのかは語られない。ロープレの評価は見る人の印象で、スクリプトと採点は別物になる。To-Be では、商談を事前準備からクロージングまでのフェーズ/大項目/中項目に分け、項目ごとに「なぜ聞くのか・なぜ伝えるのか」を書いてトークにする。同じ中項目に配点を付けて採点シートにし、版を固定して管理する。人が決めるのは 何を標準にするか(判断1) と ロープレの採点(判断2) の2回。AI は録画の分析を手伝うが、何を項目にするかは、その業界の知識を持つ人が決める。
差が出るのは、話のうまさではありません。オープニングでその日のゴールに合意を取れているか、クロージングで押さえるべきことを押さえられているか、でした。うまく話しているようで終わる商談が一番の差で、採点シートのオープニングとクロージングの項目が、この差に対応します。
03AI 化の進め方、6つのフェーズ
大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。
04営業の業務フローのどこを AI 化したか
営業の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「戦略設計」の4つのステップのうち S-14(営業プロセス設計) です。
05効率化の段階
この業務は L0(手作業)から L1(AI 補助) へ。AI はハイプレイヤーの商談を分析する1箱で、項目・理由・配点を決めるのは人。スクリプトと採点シートが同じ中項目で揃うことが、この業務の価値。
06Before(As-Is):型はトップの頭の中。流れも理由も言葉になっておらず、評価は見る人の印象
新しい人はトップの商談を見て覚える。なぜそこで聞くのかは語られず、言い回しは人ごとに違う。ロープレの評価は見る人次第で、資料は増え続ける。
07After(To-Be):同じ7工程で、トップの動きを項目・理由・トーク・配点の列に落とす。AI は分析を手伝い、決めるのは人
工程は変えていない。前半の5工程は人がやる。何を標準にするか、どの項目に理由と配点を付けるかは、その業界と商談を知る人でないと決められないからだ。AI は録画からトップの動きを書き出す1箱に限る。スクリプトと採点シートは同じ中項目で作り、版を固定する。
- 録音・録画は、商談の冒頭で目的(記録の正確性・社内での振り返り)と範囲を伝え、断られたら録らない
- 録音には相手の発言が含まれる。AI に入れるときは、入力を学習に使わない契約のサービス(法人プランか API)に限り、相手の社名・個人名は必要がなければ外す
- 採点の対象は自社の営業担当のトーク。相手の評価や与信の判断には使わない
- 録音の保存場所・保存期間・閲覧できる人を決め、社外に出さない
スクリプトと採点シートを AI 化する手順
- トップの分析:録画を分析:トップの動きを書き出す
- 項目に分ける:項目に分ける:フェーズ/大項目/中項目
- 理由を書く:理由を書く:なぜ聞くのか・なぜ伝えるのか
- トークにする:トークにする:一問一答・会話・分岐
- 配点を付ける:配点を付ける:同じ中項目に配点
- 版を固定する:版を固定する:第一版・第二版は編集禁止
- ロープレで使う:採点する:評価コメントを書く
08工程ごとの担当の変化
AI に移した工程はまだ1つ(分析の補助)。この業務の価値は スクリプトと採点シートが同じ中項目で揃う ことにあり、項目・理由・配点を決めるのは人のまま。
同席して背中で見せる。何が違うかは本人も言えない
AI が録画からトップの動きを書き出し、人が差が出る動きを選ぶ
流れは頭の中。分けない
事前準備からクロージングまでをフェーズ/大項目/中項目に分ける
なぜ聞くかは経験。語られない
項目ごとに「なぜ聞くのか・なぜ伝えるのか」を書く
言い回しは人ごとに違う
一問一答・会話形式・分岐でトークを書く
配点はない。できた気がする、で終わる
スクリプトと同じ中項目に配点を付け、ロープレ用と面談用の採点シートにする
版がなく、資料が増え続ける
第一版・第二版を編集禁止で固定し、作業中は編集中タブで分ける
印象で評価する。評価の理由が残らない
スクリプトどおりにロープレし、同じ項目で採点して評価コメントを残す
09設計のポイント
人の判断は2回に固定する
- 判断1 何を標準にするか: トップの動きのうち、差が出る部分を選ぶ。差が出たのは、オープニングでゴールの合意を取れているかと、クロージングで次の約束を押さえられているか。ここにその業界の知識を持つ人が要る
- 判断2 ロープレの採点: 同じ中項目で採点し、評価コメントを残す。営業担当・FB担当・日付・お題を書く欄があるので、誰がいつ何を見たかが残る
- 項目・理由・トーク・配点を書くのは判断ではなく作業。ただし、理由の列を省くと、現場は「なぜそうするか」を失う
AI の外に残るもの
- 商談そのもの。スクリプトどおりに進めるのは人
- 何を項目にするかの判断。AI の分析もあるが、標準にする部分を決めるのは、その業界の知識を持つ人
- 版の管理。第一版・第二版は編集禁止で固定し、作業中は編集中タブに分ける。これを崩すと、教える内容と採点が再びずれる
役割の移動
- トップ営業: 背中で見せる人 → 動きを項目と理由に分けてもらう元
- 育てる側: 印象で評価する人 → 同じ項目で採点し、理由つきで返す人
- AI: 無し → 録画からトップの動きを書き出す補助。次の段階では、同じ採点シートを入れた AI が録音から採点する
次の分岐
- 採点シートが固定できたら、同じシートを AI に入れて、録音からフィードバックが出る形にする(この案件では実施。L1 → L2)
- 面談(採用)の採点シートも同じ作りにして、商談と採用で評価の型を揃える
- 第二版への更新は、ロープレの採点で×が集まる項目から直す(候補)
11まとめ
- トップの動きを、フェーズ/大項目/中項目に分け、「なぜ聞くのか・なぜ伝えるのか」を付けてスクリプトにする
- スクリプトと同じ中項目に配点を付けて採点シートにする。教え方と採点が同じ項目で揃う
- 版は固定して管理する。何を項目にするかは、AI の分析だけでなく、業界の知識を持つ人が決める
この記事を書いた人
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