METHOD
スタートアップの MVV は、経営者個人の話から深く掘って、会社の言葉にする【業務フロー・指示文付き】
変わるのは「言葉を作る場」ではなく「言葉の出どころが、経営者個人の経験にあること」です。
スタートアップの MVV は、経営者個人の話から深く掘り下げて作る。Web マーケティング支援を行う先方で、社長個人へのメンタリングから始め、人生の転機や価値観を先に棚卸しし、個人の MVV をつくってから、会社の主語に直した。言葉を選ぶのは経営者で、AI は問いの整理と案出しを担う。
- 会社の理念を先に作らず、経営者個人の棚卸しから個人の MVV をつくり、会社の主語に直す設計
- ミッションとビジョンは個人のものを調整し、バリューは仲間に求める価値観として新しく決める考え方
- 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、同じ順番で自社の MVV を言葉にする手順
下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。
業務フローと AI への指示文
この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。
- 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
- AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます
01結論:何が変わるのか
変わるのは「言葉を作る場」ではなく「言葉の出どころが、経営者個人の経験にあること」だ。As-Is では、会社を主語にした言葉をいきなり考える。方向性は経営者の頭の中にあるが言葉になっておらず、仲間に求める価値観も明文化されていない。To-Be の順番は、人生の棚卸し、ビジョン、行きたくない未来、ミッション、バリュー、整合チェック。ここまでで個人の MVV ができる。そのあと、ミッションとビジョンは個人のものを会社の主語に直し、バリューは会社の仲間に求める価値観として新しく決める。AI は各段で問いを整理し、言い回しの案を出す。人に残るのは 整合チェックで胸が動くか決める(判断1) と 会社の言葉として採る(判断2) の2回。言葉を選ぶのは経営者。
スタートアップの MVV 策定は、基本的に個人の話から深く考えていきます。会社の理念を先に作ると、きれいだが誰の言葉でもないものになる。人生の転機と価値観を棚卸しして、個人の MVV を先につくり、それから会社の主語に直す。この順番だけは変えないでください。
03AI 化の進め方、6つのフェーズ
大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。
04全社の業務フローのどこを AI 化したか
全社の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「戦略設計」の4つのステップのうち X-12(MVV策定) です。
05効率化の段階
この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。起点はセッションの場で、問いの順番が固定され、各段で AI が案を出して経営者が言葉を選びます。判断は2回に固定しました。
06Before(As-Is):方向性は頭の中にあるが、言葉になっていない
社長個人へのメンタリングから始まりました。会社の MVV はなく、仲間に求める価値観も明文化されていません。棚卸しや検証の工程もありません。
07After(To-Be):個人の棚卸しから順に積み、整合チェックを通してから会社の主語に直す
順番を固定しました。人生の棚卸し、ビジョン、行きたくない未来、ミッション、バリュー、整合チェック。ここまでが個人の MVV で、そのあと会社の言葉に直します。前半を人がやるのは、人生の転機と価値観は本人にしか語れず、AI が作ると出来事が嘘になるからです。AI は問いの整理と案出しだけを担います。
- 人生の転機や価値観は本人の個人情報。AI に入れる前に本人の了解を得て、入力を学習に使わない契約のサービス(法人プランか API)に限る
- ライフラインシートと個人の MVV は本人の記録として扱い、会社の資料に出来事を持ち込まない。保存場所と閲覧できる人を本人と決める
MVV策定(個人から)を AI 化する手順
- 人生の棚卸し:価値観の言葉を拾う:話から軸になる言葉を整理する
- ビジョン:言い回しの案を出す:候補を複数並べる
- 行きたくない未来:避けたい未来を言う:絶対に行きたくない未来を決める
- ミッション:型に当てて整える:誰の・どの痛み・独自の仕組み・何に
- バリュー:候補を並べる:棚卸しの言葉から候補を出す
- 整合チェック:3つのテストをかける:映画予告・友人引用・30秒自己紹介
- 会社の主語に直す:会社版の案を出す:個人の MVV を会社の主語に置き換える
- 資料化・浸透:資料に落とす:1ミッション1スライド、1バリュー1スライド
08工程ごとの担当の変化
8工程のうち、前の6工程で個人の MVV をつくり、後ろの2工程で会社の言葉にします。AI は4工程で案を出しますが、言葉を選ぶのはすべて経営者 です。
工程がない。相談はあるが、転機や価値観を棚卸しする場ではない
ライフラインシートで上がった時・下がった時と価値観の由来を聞き、AI が話から軸になる言葉を整理する
会社を主語にいきなり考える。方向性は頭の中にあるが言葉になっていない
誰がどう良くなるかを主語に、結果で言い切る。AI が言い回しの候補を複数並べる
工程がない
絶対に行きたくない未来を経営者が自分の言葉で言う
必要になったときに考える。出どころが決まっていない
誰のどの痛みを、独自の仕組みで、何に変えるか。AI が型に当てて整える
仲間に求める条件が明文化されていない
5〜7個。各項目に意味・やらないこと・具体行動を付ける。AI が棚卸しの言葉から候補を出す
工程がない。検証する仕組みがない
映画予告テスト(30秒で語って胸が動くか)、友人引用テスト、30秒自己紹介の3つをかける
工程がない
経営者の思想(なぜこの事業か、ゴール、仲間の姿)を聞き、MV は主語を直し、Value は仲間向けに新しく決める。AI が会社版の案を出す
工程がない
1ミッション1スライド、1バリュー1スライドで資料にし、浸透施策へ
09設計のポイント
人の判断は2回に固定する
- 判断1 整合チェック: ビジョンを30秒で語って胸が動くか、友人の言葉として引用できるか、30秒で自己紹介できるか。動かなければ前の段に戻る
- 判断2 会社の言葉として採る: ミッションとビジョンは個人のものを会社の主語に直す。バリューは流用せず、仲間に入る条件とやってはいけない行動まで含めて新しく決める
- 各段で言葉を選ぶのは経営者。AI の案をそのまま採らない。採ると、整合チェックで胸が動かない
AI の外に残るもの
- 人生の転機と価値観。本人が話す。AI は話を整理するだけで、出来事を作らない
- 行きたくない未来。経営者が自分の言葉で言う段で、AI の案は使わない
- 個人の記録の扱い。ライフラインシートと個人の MVV は個人の記録として扱い、会社の資料に出来事を持ち込まない
役割の移動
- 経営者: 会社を主語に一人で考える人 → 自分の経験を話し、各段で言葉を選ぶ人
- 推進役: 相談相手 → 問いの順番を決め、整合チェックをかけ、思想をヒアリングする伴走者
- AI: なし → 問いの整理と、言い回し・候補を並べる案出し。言葉は選ばない
次の分岐
- 社内向けの浸透が先。社外向けの表現は後(記録の順番)
- MVV が決まったあと、全社の AI 化に進む。判断の基準が言葉になっていると、どの業務を AI に渡すかが決めやすい
- 次の段階(L3)は、整合チェックの3つのテストを AI が先にかけ、経営者が最後に見るだけにした形(候補)
11まとめ
- 会社の理念を先に作らず、経営者個人の棚卸しから個人の MVV をつくり、会社の主語に直す
- ミッションとビジョンは個人のものを調整し、バリューは仲間に求める価値観として新しく決める
- AI は問いの整理と案出し。言葉を選ぶのは経営者で、整合チェックで胸が動かなければ戻る
この記事を書いた人
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