METHOD
自動化した業務を商品にする。人はミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形を決めるだけ【業務フロー・指示文付き】
変わるのは「自動化した業務」ではなく「それが他社の環境でも動くこと」です。
自社の EC 業務を AI で自動化して制作工数が下がっても、それだけでは自社のコストが減っただけで、新しい売上にはなりません。EC 運営会社の案件で、自動化した業務の手順を自社環境から切り出し、提供範囲と料金の形を決め、入り口になる商品群として売る側に回りました。商品の裏側は、自社で効率化した AI のアプリそのものです。
- 自動化した業務を「自社のコスト削減」で終わらせず、他社に出せる商品に組み替える設計
- 商品企画から営業資料までを AI で一気通貫に作り、人の判断を「ミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形」の3回に固定する考え方
- 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の自動化した業務を同じ形で商品にする手順
下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。
業務フローと AI への指示文
この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。
- 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
- AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます
01結論:何が変わるのか
変わるのは「自動化した業務」ではなく「それが他社の環境でも動くこと」だ。As-Is では、自動化の手順は自社の環境に閉じ、何をいくらで売るかは決まらず、案件ごとの見積もりと口頭の説明で受託を続けていた。To-Be では、業務を2つのミッションに再定義し、手順を他社の EC 環境でも動く形に切り出し、商品企画から営業資料までを AI で一気通貫に組む。人が決めるのは どのミッションに絞るか(判断1)・どこまで担うか(判断2)・料金の形(判断3) の3回。自社でうまくいったのが5月、本格的に始めたのが8月で、2か月で9つの入り口商品を作り、売り始めた。
自動化した業務を売る側に回ろうと決めたのは、自社であまりにうまくいったときでした。商品は、案件ごとのスポットではなく、枠売りと月額課金の形に揃えています。売っている商品の裏側は、自社で効率化を図った AI のアプリそのものです。
02出来上がったもの

画面は社名・個人情報・金額を伏せるためぼかしています。
03AI 化の進め方、6つのフェーズ
大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。
04事業開発・商品化の業務フローのどこを AI 化したか
事業開発・商品化の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「事業・商品設計」の5つのステップのうち B-31〜B-33(提供価値定義〜価格設計) です。
05効率化の段階
この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。起点が「案件が来てから見積もる」から「商品企画の指示で AI が資料まで組む」に移り、人はミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形を決めるだけになりました。
06Before(As-Is):自動化で工数は減ったが、売るものになっていない
第1章で制作工数は下がっていました。ただし手順は自社環境に閉じ、何をいくらで売るかは決まらず、案件ごとの見積もりと口頭の説明で受託を続けていました。
07After(To-Be):手順を他社環境でも動く形に切り出し、商品企画から営業資料までを AI で組む
工程は変えていません。自動化の手順を自社環境から切り出し、商品設計・料金体系・提案資料・広告バナーを AI が組みます。人が決めるのは、絞り込み・提供範囲・料金の形の3つです。
自動化した業務の商品化を AI 化する手順
- 位置づけ:業務を2軸に再定義:どの作業がどちらに効くかで整理する
- 業務の型化:環境に依存しない形へ:他社のEC環境でも動くよう手順と設定を切り出す
- 商品設計:商品の骨子を組む:商品企画から資料までを一気通貫で
- 範囲・料金:料金体系を表に落とす:月額と従量の組み合わせを表にする
- 営業資料:提案資料を生成:テンプレートに沿って組み立てる
- 集客・受注:広告バナーを量産:toB向けの訴求を作り分ける
- 納品:アプリで制作:商品の裏側は、自社で効率化したアプリ
08工程ごとの担当の変化
7工程の形は変えず、作る仕事を AI に移しました。人に残るのは ミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形 の3つの判断と、資料・納品物の確認です。
案件単位のスポット取引。売上が読めない
AIが業務を2軸で整理し、人が2つのミッションに絞る
自動化の手順が自社環境に閉じていて、他社に移せない
AIが他社のEC環境でも動くよう手順と設定を切り出す。人は移植できる形かを見る
何を売るのかが決まっていない
AIが商品企画から資料までの骨子を一気通貫で組み、人が提供範囲の線を引く
案件ごとの都度見積もり。比較されると弱い
AIが月額と従量の組み合わせを表に落とし、人が枠売りと月額課金の形に決める
説明できる資料がなく、口頭に頼る
AIがテンプレートに沿って提案資料を組む
見込み客と出会う入り口が整っていない
AIがtoB向けの広告バナーを作り分け、人が反応を見て訴求を決め直す
案件ごとに、自社の環境でしか回らない手順で納める
自社で効率化したAIのアプリで制作し、人が確認して渡す
09設計のポイント
人の判断は3回に固定する
- 判断1 ミッションの絞り込み: 「売れる商品を見つける」「売れている商品の広告効率を上げる」の2つに絞る。AI は業務をどちらに効くかで整理するが、絞るのは人
- 判断2 提供範囲: どこまでを担うかの線を人が引く。AI は骨子を出すが、線を引かないと案件ごとの見積もりに戻る
- 判断3 料金の形: 案件ごとのスポットではなく、枠売りと月額課金に揃える。お金の判断は人
AI の外に残るもの
- 売るかどうか。商品の形も料金も、人が決めてから AI が資料に落とす
- 営業の手法。1つに固定せず複数を並行する。AI はバナーを量産するが、どこに売るかは人
- 納品物の最終確認。アプリが出したものを人が見てから渡す
役割の移動
- 先方: 受託の下請け → 自動化した業務を売る側。制作の裏側は自社で効率化したアプリ
- AI: 自社の制作を回す道具 → 商品設計・料金表・提案資料・広告バナーを組む担当
- 手順: 自社環境に閉じたスクリプト → 他社の EC 環境でも同じ手順で動くアプリ
次の分岐
- 入り口の商品群のうち、反応のあった商品に広告と資料を寄せる(候補)
- 他社環境での納品が続いたら、環境ごとの設定の違いを型にして、移植の工程を短くする(候補)
- 次の段階(L3)は、先方が自分で商品を足すと、資料とバナーが自動で揃う状態(候補)
11まとめ
- 自動化は自社のコスト削減で終わらせず、手順を他社環境でも動く形に切り出して商品にする
- 人の判断は、ミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形の3回。資料と納品物は確認だけ
- 商品の裏側は、自社で効率化した AI のアプリそのもの。先方も外注先も使える形にしておく
この記事を書いた人
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