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METHOD

6-3 他領域への展開PHASE 6 定着・改善段階 L0 → L2(半自動)L2 半自動

自動化した業務を商品にする。人はミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形を決めるだけ【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「自動化した業務」ではなく「それが他社の環境でも動くこと」です。

自社の EC 業務を AI で自動化して制作工数が下がっても、それだけでは自社のコストが減っただけで、新しい売上にはなりません。EC 運営会社の案件で、自動化した業務の手順を自社環境から切り出し、提供範囲と料金の形を決め、入り口になる商品群として売る側に回りました。商品の裏側は、自社で効率化した AI のアプリそのものです。

この記事で得られること
  • 自動化した業務を「自社のコスト削減」で終わらせず、他社に出せる商品に組み替える設計
  • 商品企画から営業資料までを AI で一気通貫に作り、人の判断を「ミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形」の3回に固定する考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の自動化した業務を同じ形で商品にする手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「自動化した業務」ではなく「それが他社の環境でも動くこと」だ。As-Is では、自動化の手順は自社の環境に閉じ、何をいくらで売るかは決まらず、案件ごとの見積もりと口頭の説明で受託を続けていた。To-Be では、業務を2つのミッションに再定義し、手順を他社の EC 環境でも動く形に切り出し、商品企画から営業資料までを AI で一気通貫に組む。人が決めるのは どのミッションに絞るか(判断1)・どこまで担うか(判断2)・料金の形(判断3) の3回。自社でうまくいったのが5月、本格的に始めたのが8月で、2か月で9つの入り口商品を作り、売り始めた。

太田 壮哉
太田 壮哉の実践アドバイス

自動化した業務を売る側に回ろうと決めたのは、自社であまりにうまくいったときでした。商品は、案件ごとのスポットではなく、枠売りと月額課金の形に揃えています。売っている商品の裏側は、自社で効率化を図った AI のアプリそのものです。

2か月で作った入り口の商品
9商品
商品企画から営業資料までを一気通貫で作った。受注の件数や売上は載せていない
人が判断する回数
3回
ミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形。資料と納品物は確認のみ
To-Be の工程数
7工程
位置づけから納品まで。手順を他社環境でも動く形に切り出す工程を必ず挟む

02出来上がったもの

LP Studio 業務フロー(8工程を一本道に)
LP Studio 業務フロー(8工程を一本道に)

画面は社名・個人情報・金額を伏せるためぼかしています。

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04事業開発・商品化の業務フローのどこを AI 化したか

事業開発・商品化の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「事業・商品設計」の5つのステップのうち B-31〜B-33(提供価値定義〜価格設計) です。

BIZDEV FLOW―事業開発・商品化の業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
市場・顧客調査
STEP 3
事業・商品設計
STEP 4
検証
STEP 5
立ち上げ・販売
STEP 6
改善・拡大
中でやること
1-1 事業領域設定1-2 自社資産棚卸し1-3 事業テーマ洗い出し1-4 テーマ選定
2-1 仮説設定2-2 二次情報収集2-3 顧客インタビュー2-4 課題検証
3-1 提供価値定義3-2 商品・サービス設計3-3 価格設計3-4 収益モデル設計3-5 事業計画作成
4-1 MVP作成4-2 テスト販売4-3 反応計測4-4 継続判断
5-1 販売チャネル準備5-2 営業・マーケ資料作成5-3 初期顧客獲得5-4 導入支援
6-1 数値振り返り6-2 商品改善6-3 横展開・拡大
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。起点が「案件が来てから見積もる」から「商品企画の指示で AI が資料まで組む」に移り、人はミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形を決めるだけになりました。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):自動化で工数は減ったが、売るものになっていない

第1章で制作工数は下がっていました。ただし手順は自社環境に閉じ、何をいくらで売るかは決まらず、案件ごとの見積もりと口頭の説明で受託を続けていました。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 AI データ・システム 01 位置づけ 02 業務の型化 03 商品設計 04 範囲・料金 05 営業資料 06 集客・受注 07 納品 受託の下請け 案件単位のスポット取引で、 売上が読めない 自社の中だけ 自動化の手順が自社環境に閉 じている スクリプト 自社環境にしか繋がらない 決まっていない 何を売るのかが定まっていな い 都度見積もり 案件ごとに条件が変わり、比 較されると弱い 資料がない 口頭で伝えるしかない 入り口がない 見込み客と出会う入り口が整 っていない 案件ごとに作る 自社の環境でしか回らない手 順で納める 自社向けに動く 次の案件も都度見積もり 商品化の工程に AI は入っていな い(制作は第1章で自動化済み)
自動化で 制作工数は減った。しかし 新しい売上にはなっていない。案件単位のスポット取引という構造は変わらない

07After(To-Be):手順を他社環境でも動く形に切り出し、商品企画から営業資料までを AI で組む

工程は変えていません。自動化の手順を自社環境から切り出し、商品設計・料金体系・提案資料・広告バナーを AI が組みます。人が決めるのは、絞り込み・提供範囲・料金の形の3つです。

人 AI データ・システム 01 位置づけ 02 業務の型化 03 商品設計 04 範囲・料金 05 営業資料 06 集客・受注 07 納品 判断 1 2つのミッションに絞る 売れる商品を見つける/広告 効率を上げる 自動 業務を2軸に再定義 どの作業がどちらに効くかで 整理する 移植できるか確認 他社環境で動く形かを見る 自動 環境に依存しない形 へ 他社のEC環境でも動くよう 手順と設定を切り出す アプリ・スクリプト 他社環境でも同じ手順で動く 判断 2 提供範囲を決める どこまでを担うかの線を引く 自動 商品の骨子を組む 商品企画から資料までを一気 通貫で 判断 3 料金の形を決める 枠売りと月額課金に揃える 自動 料金体系を表に落と す 月額と従量の組み合わせを表 にする 表計算 原価と粗利が試算できる 内容を確認して直す 出てきた資料を見る 自動 提案資料を生成 テンプレートに沿って組み立 てる スライド 同じ品質で量産できる 反応を見て訴求を直す 広告の反応から決め直す 自動 広告バナーを量産 toB向けの訴求を作り分ける 広告管理画面 反応が数字で見える 確認して納める 出来上がりを見て先方に渡す 自動 アプリで制作 商品の裏側は、自社で効率化 したアプリ アプリ 先方も外注先も使える 2軸の整理 絞ったミッション 確認 骨子 提供範囲 料金表 料金の形 資料 確定した資料 反応 受注 納品物 切り出す 試算 生成 入稿 動かす 訴求を直して資料とバナーを再生成
自動化した業務が 枠売りと月額課金の商品群 になり、営業をかけるとすぐ売れた。商品の裏側は、自社で効率化した AI のアプリ

自動化した業務の商品化を AI 化する手順

  1. 位置づけ:業務を2軸に再定義:どの作業がどちらに効くかで整理する
  2. 業務の型化:環境に依存しない形へ:他社のEC環境でも動くよう手順と設定を切り出す
  3. 商品設計:商品の骨子を組む:商品企画から資料までを一気通貫で
  4. 範囲・料金:料金体系を表に落とす:月額と従量の組み合わせを表にする
  5. 営業資料:提案資料を生成:テンプレートに沿って組み立てる
  6. 集客・受注:広告バナーを量産:toB向けの訴求を作り分ける
  7. 納品:アプリで制作:商品の裏側は、自社で効率化したアプリ

08工程ごとの担当の変化

7工程の形は変えず、作る仕事を AI に移しました。人に残るのは ミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形 の3つの判断と、資料・納品物の確認です。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
01位置づけ
手作業

案件単位のスポット取引。売上が読めない

→
人の判断

AIが業務を2軸で整理し、人が2つのミッションに絞る

02業務の型化
手作業

自動化の手順が自社環境に閉じていて、他社に移せない

→
AI が自動

AIが他社のEC環境でも動くよう手順と設定を切り出す。人は移植できる形かを見る

03商品設計
手作業

何を売るのかが決まっていない

→
人の判断

AIが商品企画から資料までの骨子を一気通貫で組み、人が提供範囲の線を引く

04範囲・料金
手作業

案件ごとの都度見積もり。比較されると弱い

→
人の判断

AIが月額と従量の組み合わせを表に落とし、人が枠売りと月額課金の形に決める

05営業資料
手作業

説明できる資料がなく、口頭に頼る

→
AI が自動

AIがテンプレートに沿って提案資料を組む

06集客・受注
手作業

見込み客と出会う入り口が整っていない

→
AI が自動

AIがtoB向けの広告バナーを作り分け、人が反応を見て訴求を決め直す

07納品
手作業

案件ごとに、自社の環境でしか回らない手順で納める

→
AI が自動

自社で効率化したAIのアプリで制作し、人が確認して渡す

09設計のポイント

01

人の判断は3回に固定する

  1. 判断1 ミッションの絞り込み: 「売れる商品を見つける」「売れている商品の広告効率を上げる」の2つに絞る。AI は業務をどちらに効くかで整理するが、絞るのは人
  2. 判断2 提供範囲: どこまでを担うかの線を人が引く。AI は骨子を出すが、線を引かないと案件ごとの見積もりに戻る
  3. 判断3 料金の形: 案件ごとのスポットではなく、枠売りと月額課金に揃える。お金の判断は人
02

AI の外に残るもの

  1. 売るかどうか。商品の形も料金も、人が決めてから AI が資料に落とす
  2. 営業の手法。1つに固定せず複数を並行する。AI はバナーを量産するが、どこに売るかは人
  3. 納品物の最終確認。アプリが出したものを人が見てから渡す
03

役割の移動

  1. 先方: 受託の下請け → 自動化した業務を売る側。制作の裏側は自社で効率化したアプリ
  2. AI: 自社の制作を回す道具 → 商品設計・料金表・提案資料・広告バナーを組む担当
  3. 手順: 自社環境に閉じたスクリプト → 他社の EC 環境でも同じ手順で動くアプリ
04

次の分岐

  1. 入り口の商品群のうち、反応のあった商品に広告と資料を寄せる(候補)
  2. 他社環境での納品が続いたら、環境ごとの設定の違いを型にして、移植の工程を短くする(候補)
  3. 次の段階(L3)は、先方が自分で商品を足すと、資料とバナーが自動で揃う状態(候補)

11まとめ

  • 自動化は自社のコスト削減で終わらせず、手順を他社環境でも動く形に切り出して商品にする
  • 人の判断は、ミッションの絞り込み・提供範囲・料金の形の3回。資料と納品物は確認だけ
  • 商品の裏側は、自社で効率化した AI のアプリそのもの。先方も外注先も使える形にしておく

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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