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METHOD

4-3 周辺業務への展開PHASE 4 業務AI化段階 L0 → L1(AI補助)L1 AI補助

競合に勝つ上申資料が、その場で出るシートをつくる【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「資料を作る時間」ではなく、「先方の担当者が社内で戦える材料を渡せること」です。

先方の人数などの条件を入れると、ROI と損益分岐点が出る。検討中のサービス名を入れると、要件表(Must と Want)に沿った競合比較表が完成する。先方の情シス担当者が社内に上申するための資料を、営業が先に用意して渡す。人事・労務系 SaaS の営業組織を立ち上げる中で作った仕組みです。

この記事で得られること
  • 上申資料を「先方の担当者が自分で作る」から「営業が入力して先に渡す」に変える設計
  • ROI・競合比較・要件表の3点を、入れると出る1つのシートにまとめる考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の提案に同じ形を組み込む手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「資料を作る時間」ではなく「先方の担当者が社内で戦える材料を渡せること」だ。買う人は、自分で社内を通さなければならない。As-Is では、ROI も競合比較も案件ごとに営業が計算し、上申の資料は先方の担当者が自分で作る。To-Be では、人数などの条件を入れると ROI と損益分岐点が出て、検討中のサービス名を入れると要件表(Must と Want)に沿った比較表が完成する。営業がやるのは 条件とサービス名の入力、裏側の要件表づくり、渡す前の確認 だけ。選ばれる理由を、先方の言葉と数字で渡す。

太田 壮哉
太田 壮哉の実践アドバイス

買う側の担当者は、社内を通す仕事を抱えています。競合に勝つには、その担当者が上申に使える材料を、営業が先に渡す。入れると出る形にしておくと、商談のその場で渡せます。これは実際に、かなり効きました。

営業が入力するもの
2つ
先方の人数などの条件と、検討中のサービス名。あとはシートが出す
競合調査の情報源
3つ
直接の商談、比較サイト、エキスパートインタビュー。要件表(Must と Want)を裏側に持つ
先方に渡す導入検討資料の枚数
9〜10枚
ROI・損益分岐点・競合比較・要件表を、システム導入の検討に要る形でまとめた

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04営業の業務フローのどこを AI 化したか

営業の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「商談・提案」の5つのステップのうち S-43(提案書作成) です。

SALES FLOW―営業の業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
リード獲得
STEP 3
商談準備
STEP 4
商談・提案
STEP 5
受注・契約
STEP 6
顧客フォロー
中でやること
1-1 顧客像(ICP)定義1-2 市場・競合分析1-3 提供価値設計1-4 営業プロセス設計
2-1 ターゲットリスト作成2-2 企業・担当者調査2-3 アプローチ文面作成2-4 架電・メール実行2-5 アポイント獲得
3-1 顧客・業界調査3-2 課題仮説設計3-3 商談資料作成3-4 日程調整
4-1 商談実施・記録4-2 議事録作成4-3 提案書作成4-4 見積書作成4-5 次アクション連絡
5-1 条件交渉・社内承認5-2 契約書作成・締結5-3 受注データ登録5-4 請求連携
6-1 顧客情報更新6-2 案件・売上予測6-3 定例・報告6-4 アップセル提案6-5 振り返り・コーチング
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L0(手作業)から L1(AI補助) へ。仕組みは1箱で、人が条件を入れると出力がそのまま資料になります。AI の縦積みや判断ゲートはまだありません。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):営業が案件ごとに計算し、先方の担当者は自分で上申資料を作る

この仕組みを作る前の流れは記録が残っていないため、一般的な形で描いています。ROI も競合比較も営業の頭と手の中にあり、先方の担当者に渡せる形になっていませんでした。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 仕組み データ 営業 先方の担当者 自動算出 データ 01 条件の入力 02 ROIの算出 03 競合の調査 04 比較表の作成 05 資料の組立て 06 上申 条件を聞く 人数などを商談で聞き取る 商談メモ 営業の手元 案件ごとに計算する コストと効果を手で置く 頭の中で比べる 競合の情報は営業の中にある 毎回作る 項目も評価も案件ごと 口頭で補う 資料は作る人で変わる 自分で上申資料を作る 社内を通す材料は担当者任せ 口頭で渡す メモ 仕組みはまだ無い
計算も比較も案件ごと。先方の担当者は、社内を通す材料を自分で作る(時間は未計測)

07After(To-Be):営業が入れるのは条件とサービス名。シートが ROI・比較表・資料を出し、先方の担当者に渡す

営業が持っていた計算と比較を、入れると出るシートに移しました。先方の担当者は、受け取った資料でそのまま社内に上申できます。

人 仕組み データ 営業 先方の担当者 自動算出 データ 01 条件の入力 02 ROIの算出 03 競合の調査 04 比較表の作成 05 資料の組立て 06 上申 人数などの条件を入れる 商談で聞いた条件をそのまま 入力シート 条件を1か所に 自動 ROI と損益分岐点 を出す 導入前後のコストを比べ、回 収までを出す ROI 表 競合を調べて要件表にする 直接の商談・比較サイト・エ キスパートインタビュー 要件表(Must/Want) 裏側に置く 検討中のサービス名を入れ る これから話を聞く先も含める 自動 要件表に沿った比較 表を出す 評価は比較サイトの値を引く 比較表 判断 1 確かめる 数字と言葉が先方の社内で通 るか 自動 ROI・比較表・要件 表を資料にまとめる 9〜10枚の導入検討資料 導入検討資料 社内に上申する 自社の言葉と数字で説明でき る 結果を見て競合へ 名前を入れる 資料を渡す 先方へ渡す 入力 出力 裏側に置く 出力 まとめ 先方の担当者は、受け取るまで作業 なし
営業は 入力2つと確認1回。ROI・比較表・資料はシートが出す(時間は未計測)

上申資料が出るシートを AI 化する手順

  1. 条件の入力:人数などの条件を入れる:商談で聞いた条件をそのまま
  2. ROIの算出:ROI と損益分岐点を出す:導入前後のコストを比べ、回収までを出す
  3. 競合の調査:競合を調べて要件表にする:直接の商談・比較サイト・エキスパートインタビュー
  4. 比較表の作成:要件表に沿った比較表を出す:評価は比較サイトの値を引く
  5. 資料の組立て:ROI・比較表・要件表を資料にまとめる:9〜10枚の導入検討資料
  6. 上申:社内に上申する:自社の言葉と数字で説明できる

08工程ごとの担当の変化

6工程の形は変えず、計算と比較をシートに移しました。営業に残るのは 条件とサービス名の入力、要件表づくり、渡す前の確認 です。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
01条件の入力
手作業

人数などを商談で聞き取り、メモに残す

→
手作業

条件を入力シートに入れる。以降はここから計算が走る

02ROIの算出
手作業

案件ごとにコストと効果を手で置く

→
AI が自動

導入前後のコストと損益分岐点をシートが出す

03競合の調査
手作業

競合の情報は営業の頭の中。案件ごとに思い出す

→
手作業

直接の商談・比較サイト・エキスパートインタビューで調べ、要件表(Must/Want)として裏側に持つ

04比較表の作成
手作業

項目も評価も案件ごとに作る

→
AI が自動

検討中のサービス名を入れると、要件表に沿った比較表が出る。評価は比較サイトの値

05資料の組立て
手作業

口頭で補う。資料は作る人で変わる

→
AI が自動

ROI・比較表・要件表を9〜10枚の導入検討資料にまとめる

06上申
手作業

先方の担当者が自分で上申資料を作る

→
手作業

営業が渡した資料で、先方の担当者が社内に上申する

09設計のポイント

01

人の判断は1回。渡す前に確かめる

  1. 判断1 渡す前の確認: 数字と言葉が先方の社内で通るかを見る。シートの出力をそのまま渡さず、担当者の立場で読む
  2. 要件表(Must と Want)は営業が一度作る。ここが裏側の正で、比較表の項目と評価の基準になる
  3. 入力は条件とサービス名の2つだけ。だから、その場で資料になる
02

AI の外に残るもの

  1. 競合の一次情報。直接の商談とエキスパートインタビューは人が行う。シートは集めた情報を表にするだけ
  2. 先方の社内事情。誰に、どの数字で通すかは先方の担当者が知っている。営業は材料を渡す
  3. 選ばれる理由そのもの。シートは比較を揃えるが、勝てる要件を持っているかは製品と営業の仕事
03

役割の移動

  1. 営業: 計算して説明する人 → 条件を入れて渡す人
  2. 先方の担当者: 自分で上申資料を作る人 → 受け取った資料で社内を通す人
  3. シート: 営業の手元の計算 → ROI・比較表・資料を出す1つの箱
04

次の分岐

  1. AI を入れるなら、競合の調査と要件表の更新(L1 → L2)。比較サイトの評価を定期的に引き直す(候補)
  2. 次の段階は、商談の議事録から条件を拾って自動で入力する状態(候補)
  3. ROI の前提値は1か所に集め、変えたら全部引き直せる形にする(候補)

11まとめ

  • 買う人は自分で社内を通す。競合に勝つには、上申に使える材料を営業が先に渡す
  • ROI・競合比較・要件表を、条件とサービス名を入れると出る1つのシートにまとめる
  • 人の判断は渡す前の確認1回。競合の一次情報と要件表は、営業が一度作って裏側に持つ

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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