METHOD
競合に勝つ上申資料が、その場で出るシートをつくる【業務フロー・指示文付き】
変わるのは「資料を作る時間」ではなく、「先方の担当者が社内で戦える材料を渡せること」です。
先方の人数などの条件を入れると、ROI と損益分岐点が出る。検討中のサービス名を入れると、要件表(Must と Want)に沿った競合比較表が完成する。先方の情シス担当者が社内に上申するための資料を、営業が先に用意して渡す。人事・労務系 SaaS の営業組織を立ち上げる中で作った仕組みです。
- 上申資料を「先方の担当者が自分で作る」から「営業が入力して先に渡す」に変える設計
- ROI・競合比較・要件表の3点を、入れると出る1つのシートにまとめる考え方
- 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の提案に同じ形を組み込む手順
下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。
業務フローと AI への指示文
この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。
- 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
- AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます
01結論:何が変わるのか
変わるのは「資料を作る時間」ではなく「先方の担当者が社内で戦える材料を渡せること」だ。買う人は、自分で社内を通さなければならない。As-Is では、ROI も競合比較も案件ごとに営業が計算し、上申の資料は先方の担当者が自分で作る。To-Be では、人数などの条件を入れると ROI と損益分岐点が出て、検討中のサービス名を入れると要件表(Must と Want)に沿った比較表が完成する。営業がやるのは 条件とサービス名の入力、裏側の要件表づくり、渡す前の確認 だけ。選ばれる理由を、先方の言葉と数字で渡す。
買う側の担当者は、社内を通す仕事を抱えています。競合に勝つには、その担当者が上申に使える材料を、営業が先に渡す。入れると出る形にしておくと、商談のその場で渡せます。これは実際に、かなり効きました。
03AI 化の進め方、6つのフェーズ
大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。
04営業の業務フローのどこを AI 化したか
営業の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「商談・提案」の5つのステップのうち S-43(提案書作成) です。
05効率化の段階
この業務は L0(手作業)から L1(AI補助) へ。仕組みは1箱で、人が条件を入れると出力がそのまま資料になります。AI の縦積みや判断ゲートはまだありません。
06Before(As-Is):営業が案件ごとに計算し、先方の担当者は自分で上申資料を作る
この仕組みを作る前の流れは記録が残っていないため、一般的な形で描いています。ROI も競合比較も営業の頭と手の中にあり、先方の担当者に渡せる形になっていませんでした。
07After(To-Be):営業が入れるのは条件とサービス名。シートが ROI・比較表・資料を出し、先方の担当者に渡す
営業が持っていた計算と比較を、入れると出るシートに移しました。先方の担当者は、受け取った資料でそのまま社内に上申できます。
上申資料が出るシートを AI 化する手順
- 条件の入力:人数などの条件を入れる:商談で聞いた条件をそのまま
- ROIの算出:ROI と損益分岐点を出す:導入前後のコストを比べ、回収までを出す
- 競合の調査:競合を調べて要件表にする:直接の商談・比較サイト・エキスパートインタビュー
- 比較表の作成:要件表に沿った比較表を出す:評価は比較サイトの値を引く
- 資料の組立て:ROI・比較表・要件表を資料にまとめる:9〜10枚の導入検討資料
- 上申:社内に上申する:自社の言葉と数字で説明できる
08工程ごとの担当の変化
6工程の形は変えず、計算と比較をシートに移しました。営業に残るのは 条件とサービス名の入力、要件表づくり、渡す前の確認 です。
人数などを商談で聞き取り、メモに残す
条件を入力シートに入れる。以降はここから計算が走る
案件ごとにコストと効果を手で置く
導入前後のコストと損益分岐点をシートが出す
競合の情報は営業の頭の中。案件ごとに思い出す
直接の商談・比較サイト・エキスパートインタビューで調べ、要件表(Must/Want)として裏側に持つ
項目も評価も案件ごとに作る
検討中のサービス名を入れると、要件表に沿った比較表が出る。評価は比較サイトの値
口頭で補う。資料は作る人で変わる
ROI・比較表・要件表を9〜10枚の導入検討資料にまとめる
先方の担当者が自分で上申資料を作る
営業が渡した資料で、先方の担当者が社内に上申する
09設計のポイント
人の判断は1回。渡す前に確かめる
- 判断1 渡す前の確認: 数字と言葉が先方の社内で通るかを見る。シートの出力をそのまま渡さず、担当者の立場で読む
- 要件表(Must と Want)は営業が一度作る。ここが裏側の正で、比較表の項目と評価の基準になる
- 入力は条件とサービス名の2つだけ。だから、その場で資料になる
AI の外に残るもの
- 競合の一次情報。直接の商談とエキスパートインタビューは人が行う。シートは集めた情報を表にするだけ
- 先方の社内事情。誰に、どの数字で通すかは先方の担当者が知っている。営業は材料を渡す
- 選ばれる理由そのもの。シートは比較を揃えるが、勝てる要件を持っているかは製品と営業の仕事
役割の移動
- 営業: 計算して説明する人 → 条件を入れて渡す人
- 先方の担当者: 自分で上申資料を作る人 → 受け取った資料で社内を通す人
- シート: 営業の手元の計算 → ROI・比較表・資料を出す1つの箱
次の分岐
- AI を入れるなら、競合の調査と要件表の更新(L1 → L2)。比較サイトの評価を定期的に引き直す(候補)
- 次の段階は、商談の議事録から条件を拾って自動で入力する状態(候補)
- ROI の前提値は1か所に集め、変えたら全部引き直せる形にする(候補)
11まとめ
- 買う人は自分で社内を通す。競合に勝つには、上申に使える材料を営業が先に渡す
- ROI・競合比較・要件表を、条件とサービス名を入れると出る1つのシートにまとめる
- 人の判断は渡す前の確認1回。競合の一次情報と要件表は、営業が一度作って裏側に持つ
この記事を書いた人
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