COLUMN
コンサル資料の型は12で足りるか|公開報告書29本・261枚を分解した結果
- 12の型に当たったのは261枚のうち47%でした。残りは事例カード(14%)、一覧・参考(13%)、課題×対応の整理表(7%)などです。12の型に3つの型を足すと、公開報告書の型はほぼ説明できます
- ストーリーの標準は「背景→方法→現状→示唆」、結論の置き場は割れていました。タイトルが結論の枚は38%、リード文が40%、どこにもないが22%。出所の行は49%、1枚の文字数は中央値680字です
- 上限を先に決めれば、型を変えずに1枚を約320字に収められます。型ごとの上限と、結論・副題・出所の規律をプロンプトにして、最初から渡します
提案書や報告書の資料づくりに、型を決めたい。AIに作らせると、1枚に情報が詰まりすぎる。コンサルの資料のようにしたいが、何を真似て、何を減らせばよいのかが決められない。そんなとき、まず気になるのは、実際のコンサルの資料はどんな型でできているのか、ということです。
コンサルの資料は、決まった型の組み合わせでできている、とよく言われます。その型は、森秀明さんの『外資系コンサルの資料作成術』(ダイヤモンド社、2014年)が、ビジュアルの類型として12に整理しています。では、実際に公開されているコンサルの資料は、12の型で何割まで説明できるのでしょうか。
私たち Zeyra は、経済産業省などが公開した委託調査報告書のうち、コンサルティング会社・シンクタンク15社が作ったスライド29本から580枚を測り、261枚を型に分けました。なお、12の型の名称は、出版社の公開目次から当社が付けた短縮名です。
この記事は、資料の型と基準を決めたい経営者・部門長・営業責任者に向けて、型の頻度、結論の置き場、出所と文字量の数字を並べたうえで、同じ型を軽く描くための考え方と、AIに渡すプロンプトの中身を書きます。
- 12の型に当たったのは、公開報告書261枚のうち47%。残りは事例カード(14%)、一覧・参考(13%)、課題×対応の整理表(7%)などで、この3つを足すと公開報告書の型はほぼ説明できる(2章)
- 結論の置き場は割れていた。タイトルが結論の枚は38%、リード文が40%、どこにもないが22%。出所の行があるのは49%、1枚の文字数は中央値680字(2章)
- 同じ型は、上限を決めると約半分の文字量(約320字)で描ける。型ごとの上限と、結論・副題・出所の規律を、AIに貼るプロンプトにする方法も書く(4章・5章)
01調べたこと。公開報告書29本・261枚と、12の型
公開されているコンサルの資料を測り、12の型でどこまで説明できるかを調べました(2026年10月時点)。測ったのは「公開されている委託調査報告書」という種類の資料です。会社の優劣や、読み手への伝わりやすさは測っていません。
対象:官公庁に提出された最終報告書29本
経済産業省などが公開している委託調査報告書から、次の条件で29本に絞りました。
- コンサルティング会社・シンクタンクが作ったスライド形式(横長のページが9割以上)である
- PDFの表紙や各ページの表記で、委託先の会社名を確認できる
- テキストを取り出せる(画像だけのPDFは除く)。2021年度以降の報告書である
- 1社につき、新しい順に最大3本まで
集めたPDFは52ファイルありました。除外した主な理由は、審議会や講演の提出資料で委託報告書ではないもの(7本)、2020年度以前のもの(4本)、画像だけでテキストを取れないもの(3本)です。ページ数は29本で計3,513ページ、中央値は106ページです。
測る枚数は、段階的に絞りました。集めた52ファイルから29本に絞り、各報告書から20枚を抜いた580枚で、文字量・見出し・出所を自動で測りました。そのうち1本9枚の261枚は、主役の図が12の型のどれに当たるかを目視で分けました。結論の置き場は、172枚を目視で見ました。2章以降の数字は、この枚数を母数にしています。
型の分類の基準:森秀明さんの「ビジュアルの類型」12
型の分類は、世の中で既に決まっているものを使いました。森秀明『外資系コンサルの資料作成術 短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク』(ダイヤモンド社、2014年2月)です。出版社の公開目次には、「ビジュアルの類型①〜⑫」の番号と、各類型に対応する節の見出しが載っています。本は、資料のカタチは12の類型に収まり、その選び方は論理で決まる、という考え方です。
ただし、公開目次には12類型の正式な名称の一覧がありません。下の表の名称は、目次の見出しから当社が付けた短縮名です。各類型の図の形には、見出しと章立てからの推定が含まれます。
| 番号 | 当社の短縮名 | どんな資料に使うか |
|---|---|---|
| ① | 数値グラフ | 数字から主張を導く |
| ② | 異なる例から共通メッセージ | 複数の事例に共通する点を示す |
| ③ | ポイントは3つ | 言いたいことを3つに束ねる |
| ④ | 因数分解・ロジックツリー | 理由を分解して解明する |
| ⑤ | ピラミッド・ストラクチャー | 結論と根拠を階層で積み上げる |
| ⑥ | 仕事や時間の流れ | 手順や工程の順番を示す |
| ⑦ | 軌道修正を入れた連鎖 | 結果を受けて戻るループを示す |
| ⑧ | プロセス図・スケジュール1枚 | 誰がいつ何をするかを示す |
| ⑨ | 2大対立軸の比較 | AとBの違いを示す |
| ⑩ | 複数案・モデルの比較 | 国・企業・製品などを並べて比べる |
| ⑪ | ベン図 | 3つの観点の重なりを示す |
| ⑫ | マトリクス | 2つの軸で分類する |
分け方の規則は次のとおりです。1枚につき、面積が最も大きい主役の図が、12のどれに当たるかを1つ付けます。どれにも当たらなければ「当てはまらず」とし、繰り返し出てくるものに追加のタグを付けました。
書き方を測る項目:結論・出所・文字量
型とは別に、資料の書き方も測りました。見出しの文字数、結論を言う場所、出所の行の有無、図の副題(対象・期間・単位・母数)、1枚の文字数です。見出しと文字量は580枚を自動で測り、結論の場所は172枚を目視で見ました。
限界:確認できていないこと
- 分類は1人の目視です。261枚を1人で分けました。「当てはまるのは47%」という数字は、事例カードを②に入れるか、整理表を③や⑩に入れるかで、47%から76%の間で動きます。
- 12類型の名称と中身は、公開目次にもとづく解釈です。見出しと章立てから整理したもので、本の意図と違う読み方をしている可能性があります。
- 標本は20枚です。内容ページの約2割です。ページ数の多い報告書(200枚を超えるもの)では、全体を代表しない可能性があります。
- 測ったのは公開報告書です。官庁に提出した公開版の最終報告書で、クライアントへの提案書や社内の検討資料ではありません。官庁が読む報告書なので、一般の営業資料より文字が多く、「提案して決めてもらう」型の枚が少ない可能性が高いです。以降の数字は、そのつもりで読んでください。
- 報告書のスライド画像は掲載していません。測った数字と出典つきの記述だけを使い、図は描き直したものです。
- 数字は当社の集計です。経済産業省のウェブサイトで公開されている報告書を当社が読み、測って集計しました。経済産業省や各社の見解ではありません。
- 会社の優劣は測っていません。1社あたり1〜3本の標本で、書き方の違いは、発注した部署や担当チームの違いによる可能性があります。
02調べた結果。型の頻度、並び、結論の置き場、文字量
結果1:12の型で説明できたのは半分。残りは事例と一覧と整理表
12の型に当たったのは、261枚中122枚の47%でした。ベン図(⑪)に当たった枚は、261枚の中に1枚もありませんでした。
12の型に当たらなかった139枚のうち、まとめ枠の「その他」を除いて多いものは、事例カード(37枚)、一覧・参考(33枚)、課題×対応の整理表(19枚)の3つです。12の型にこの3つを足すと211枚(81%)になり、公開報告書の型はほぼ説明できます。
12の型の中では、数値グラフが41枚(16%)で最も多く、複数案の比較が28枚(11%)で続きます。この2つを使っている報告書も多く、数値グラフが16本、比較が15本でした。全部の数字は次の図のとおりです。
公開報告書29本(コンサル・シンクタンク15社、2021〜2024年度)から、目視で型を付けた261枚。単位:枚(括弧内は261枚に占める割合)。各行右の「◯本」は、その型を使った報告書の本数(29本中)
事例カードは、「複数の例から共通メッセージを示す」型(②)に似ています。ただ、1事例だけの枚は、共通点を示す図になっていません。たとえば海外の施設やプロジェクトを1件ずつ紹介する枚です。
分け方を緩め、事例カード・整理表・調査結果の声・構造図を12の型の延長として数えると、当てはまるのは198枚(76%)になります。47%と76%の間が、判断の幅です。この幅は、分け方を決める人によって動きます。
結果2:ストーリーは「背景→方法→現状→示唆」。調べた結果と示唆で終わる
29本の目次と見出しから、章の並びを「背景・目的」「方法」「現状・調査結果」「要因・分析」「示唆・提言」「計画」「検証」「参考」に分けて数えました。多い流れは、背景・目的、方法・体制、現状・調査結果、示唆・提言の4つの章です。次の図は、各章を含む報告書の本数です。
公開報告書29本(2021〜2024年度)の目次と見出し。単位:その章を含む報告書の本数(括弧内は29本に占める割合)。縦の破線は報告書の総数29本
冒頭にサマリ(結論の要約)を置く報告書は9本(31%)で、最初のページがサマリなのは6本(21%)でした。9本のうち6本は、2024年度(2025年発行)の報告書です。新しいほど増える傾向は見えますが、本数が少ないため、断定はしません。
結果3:結論を言う場所は、タイトル・リード文・なしの3通りに割れた
1枚の中で、結論をどこで言っているかを、172枚について目視で分けました。
公開報告書29本(2021〜2024年度)の内容ページ172枚を目視で分けたもの。単位:枚の割合(100%)
タイトルが結論の文になっている12本では、見出しの文字数は中央値で55字、四分位で34〜73字、最長は112字でした。60字以内に収まるのは58%です。短い決め台詞ではなく、2行に収まる1つの文でした。
置き場は、同じ会社の報告書で揃う傾向がありました。ただし、1社あたり1〜3本の標本です。会社の書き方の傾向と言えるほどの本数ではなく、発注した部署や担当チームで変わる可能性があります。事実として並べます。
| 会社 | 本数 | タイトル/リード文/なし/混在 |
|---|---|---|
| ボストン コンサルティング グループ | 3 | 3/0/0/0 |
| アーサー・ディ・リトル | 2 | 2/0/0/0 |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 2 | 2/0/0/0 |
| デロイト トーマツ | 3 | 2/1/0/0 |
| PwC | 3 | 0/3/0/0 |
| アビームコンサルティング | 3 | 0/3/0/0 |
| アクセンチュア | 3 | 0/2/1/0 |
| 野村総合研究所 | 2 | 1/0/1/0 |
| マッキンゼー・アンド・カンパニー | 2 | 0/0/1/1 |
| A.T. カーニー、ローランド・ベルガー | 各1 | 各1/0/0/0 |
| KPMGコンサルティング、三菱総合研究所、NTTデータ | 各1 | 0/各1/0/0 |
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 1 | 0/0/1/0 |
右の列は、タイトルが結論/リード文に結論/要約文なし/混在の本数。各報告書の6枚を目視で見て、4枚以上が同じ置き場なら、その型の報告書としました。
結果4:出所・副題・文字量
| 項目 | 結果(公開報告書) |
|---|---|
| 出所・出典の行 | 580枚のうち49%。報告書ごとに0〜95%で、80%以上が9本、20%以下が9本、0%が4本 |
| 注記(注・※・Note)の行 | 22% |
| 数字のグラフ(39枚)の副題 | 単位の記載56%、期間46%、母数(n=)23%。3つとも揃うグラフは0枚 |
| 1枚の文字数 | 中央値680字。四分位は490〜894字、上位10%は1,179字以上。1,000字を超える枚が17% |
| 本文の文字の大きさ | 中央値は12pt(高さ540ptのページ換算。高さ720pxなら16px相当)。10pt以下が19% |
| 冒頭の結論の要約 | 29本のうち9本(31%)。要約ページなしが17本(59%) |
型ごとに見ると、数値グラフの枚は文字が少なく(中央値541字)、出所の行が多い(73%)という特徴がありました。複数案の比較は、文字が最も多い型です(870字)。事例カードは出所の行が多い(86%)一方で、半数のタイトルが結論の文を持っていませんでした。型ごとの枚数は少ないため、傾向の目安にとどめます。
03そこから言えること。報告書の型と、提案資料の型は別もの
測った数字から言えることを、3つの層に分けます。事実と、見立てと、今回の範囲外のことです。
| 層 | 中身 |
|---|---|
| 事実(測ったこと) | 12の型に当たったのは261枚のうち47%。結論の置き場はタイトル38%・リード文40%・なし22%。出所の行は49%、1枚の文字数は中央値680字 |
| 解釈(そこからの見立て) | 事例と一覧が多いのは、官庁に調べたことを報告する資料だからと考えられる。ピラミッドや軌道修正、ベン図が少ないのは、調べたことを並べる資料では出番が少ないためと考えられる |
| 範囲外(測っていないこと) | 提案資料で同じ測定をしたときの型の頻度。会社ごとの優劣。読み手への伝わりやすさ |
公開報告書は、官庁に「調べたことを報告する」資料です。説得して決めてもらう提案資料とは、種類が違います。そのため、事例と一覧が多くなったと考えられます。12の型は、提案や説得の資料を想定した整理なので、報告書の全てを説明できなくても不思議ではありません。
12の型のうち、使われた枚数が少ない型(ピラミッド、軌道修正を入れた連鎖、ベン図など)は、公開報告書に出てこないだけで、役に立たないという意味ではありません。調べたことを並べる資料では使う場面が少なく、結論と根拠を積み上げる提案資料では出番が増える、と考えられます。この点は、提案資料で同じ測定をしないと確かめられません。
書き方の面でも、公開報告書にはばらつきがありました。結論の置き場は3通りに割れ、出所の行は半分の枚にしかなく、グラフの副題に単位・期間・母数の3つが揃うものは0枚でした。1枚の文字数も、中央値で680字、17%の枚は1,000字を超えます。型を決めるだけでは足りず、結論・副題・出所・文字量の決まりも、先に置く必要があります。
04軽く描く方法。同じ型を、半分の文字量で描く
型に沿った資料でも、1枚の情報量は多めです。測った数字では、中央値で680字でした。ここでは、軽く描く資料を同じ方法で数えた結果と、そこから決めた4つの柱を書きます。
上限を決めた資料を、同じ方法で数えた
Zeyra が実際に使っている資料のテンプレートとサンプル資料を、この測定と同じ方法で数えると、1枚あたりの文字数は中央値で319〜332字でした。ロゴやコピーライトなど、フッターの文字を含む数です。公開報告書の中央値680字の、およそ半分です。
継続率の改善を題材にした資料では、表紙以外の全ての枚に脚注と出所を付け、結論はタイトルの1文に置き、箇条書きは5点までにしています。公開報告書の標本では、出所の行は49%の枚にしかなく、グラフの副題に単位・期間・母数の3つが揃っていたものは39枚中0枚でした。ここが、軽くしても落とさない部分です。
プロンプトの4つの柱
型は同じものを使い、次の4つの柱で1枚を軽くします。
| 柱 | 決めること |
|---|---|
| 柱1 型を問いで選ぶ | 12の型と、事例・整理表・サマリの3型から、答えたい問いで1つ選ぶ |
| 柱2 結論を1文で置く | 結論はタイトルの1つの文。置き場をタイトルに固定する |
| 柱3 副題と出所を付ける | 副題に対象・期間・単位・母数。全ての図・表・数字に脚注と出所 |
| 柱4 型ごとに上限を決める | 1枚350字以内。比較表は5行×5列まで。超えたら2枚に分ける。これが軽くする仕掛け |
公開報告書との違いは、柱4の上限を先に決めておくことです。
描き直した例①:数値グラフ(①)
公開報告書で最も多い型は、数値グラフです。次の図は、この記事で測った数字を、軽く描くルールで描き直した1枚です。結論はタイトルの1文、副題に対象・期間・単位・母数、最後に脚注と出所を付けています。最大と最小の棒だけ紺、ほかは灰にして、基準線を1本引きました。
型別の1枚あたりの文字数(中央値)。公開報告書29本(2021〜2024年度)の580枚のうち、目視で型を付けた261枚で枚数の多い7つの型。単位:字。縦の破線は、公開報告書全体の中央値(580枚)680字。各行右の「出所」は、出所の行がある枚の割合
描き直した例②:2つの対立軸(⑨)
左右を同じ数の項目で比べる型です。まず、1枚の文字数を次の図で比べます。公開報告書の中央値と、上限を決めて作った資料の実測です。
1枚あたりの文字数(中央値)。公開報告書は29本の580枚、上限を決めた資料は Zeyra の資料サンプル3本(42枚)。単位:字
そのほかの違いは、次の表のとおりです。左は測った中央値や割合、右はルールで、測定値ではありません。
| 項目 | 公開報告書の1枚(測定) | 軽く描いた1枚(ルール) |
|---|---|---|
| 文字数 | 中央値680字 | 350字以内 |
| 出所の行 | ある枚は49% | 全ての図・表・数字に脚注と出所 |
| 結論の場所 | タイトル・リード文・なしの3通り | タイトルの1文に固定 |
| 本文の大きさ | 12pt(16px相当)。10pt以下が19% | 16px以上、脚注・出所だけ13px |
見た目も、先にルールにしておきます。地は白、強調の色は1色だけ、書体は1種類、影は付けません。強調は1枚に1か所にとどめます。色を絞るのは、読み手の目が、結論のある場所に最初に行くようにするためです。
型ごとの上限と、流れ
軽くするには、型ごとに上限を先に決めます。次の数は、運用している目安です。測ったものではなく、測定値(1枚680字、17%が1,000字超)と、箇条書きは5点までという資料の決まりを踏まえて決めました。
| 型 | 軽く描く上限 |
|---|---|
| ① 数値グラフ | 図は1つ、系列は3つまで。主役の系列だけ紺、他は灰。注目点に注釈を1つ |
| ⑩ 複数案の比較 | 5行×5列まで。強調する列は1つ。○△×は3段階まで |
| ⑥ 仕事や時間の流れ | 段階は5つまで。各段階の説明は1行 |
| ⑫ マトリクス | 項目は6つまで。軸の名前は両端に1語ずつ |
| ③ ポイントは3つ | 3つに限る。各柱は見出し1行と説明2行まで |
| 追加:事例カード | 1カード1事例。概要1行、特徴3つまで、出所1行 |
| 追加:課題×現状×打ち手 | 3列、行は3つまで |
| 追加:決定事項のサマリ | 3件まで。各件は見出し1行、説明1文、担当 |
流れも、報告書より先まで進めます。公開報告書は「背景→現状→示唆」で終わるものが多く、要因の章と計画の章は、それぞれ10%でした。提案・分析資料は、次の順に進めます。
サマリ(決定事項)→現状把握→要因の特定→打ち手→優先順位→計画→本日の決定
サマリは2枚目に置きます。報告書で冒頭に要約を置くのは31%なので、ここは差がつく部分です。
05AIで作るとき。型と上限を渡すプロンプトの中身と使い方
作る物がページに変わっても、型は残る
別の記事(パワポの次は「アーティファクト」)に、会議の資料がスライドから、共有リンクで開く「生きたページ」に移りつつあると書きました。スライドでもページでも、読み手が一読で判断できる「型」は変わらないと考えられます。
変わるのは、作る人の仕事です。AIに「資料を作って」と頼むと、型を選ばず、1枚に情報を詰め込んだ資料が出てくることがよくあります。何を型にするか、1枚に何を載せ、何を削るかは、人が決めます。これは、AIが仕事を持つほど、人に残る「組織の仕事」の一例です。型と上限を先に渡せば、AIの出力を決めた形に収めやすくなります。
プロンプトの中身
測った結果と、軽く描く資料ルールから書き起こした指示文です。スライドでも、共有リンクで開くWebページでも使えるように、最初の依頼文で形式を「スライド」か「Webページ」のどちらかに指定します。プロンプトに入れる部品は、次の4つです。
| 部品 | 中身 |
|---|---|
| 部品1 貼り付けるプロンプト | 目的・読み手・読まれ方・形式・素材の5つを書き換えて、Claude や ChatGPT に貼る。AIは、先に「ページ一覧(見出しと型)」だけを返す |
| 部品2 型カタログの短縮版 | 15の型と、問いからの選び方、型ごとの上限 |
| 部品3 見た目の指定 | 白地、強調色は1色、書体は1種類、角丸と影の指定、本文16px以上。自社の規約がある場合は、それに置き換える |
| 部品4 セルフチェック表 | 作ったあとに全項目を確認する15項目の表 |
使い方の中心は、最初に返ってくる「ページ一覧」です。
使い方のコツ
「ページ一覧」を直してから、本編を作らせることです。作ってから直すより、先に一覧のタイトルだけを縦に読んで、論旨が通るかを確認する方が、やり直しが減ります。セルフチェック表の項目の例を挙げます。
- タイトルは、結論を言い切る1つの文になっているか
- 1枚の文字数は350字以内(語る資料は150字以内)か
- 図・表の副題に、対象・期間・単位・母数があるか
- 全ての図・表・数字に、脚注と出所があるか
- 素材に無い数字を作っていないか(未確定は「仮置き」と書く)
- 同じ型が3枚続いていないか
プロンプトは、AIが出した資料の正しさを保証しません。数字と出所は、必ず人が確認してください。
06よくある質問とまとめ
よくある質問
Q. コンサルの資料の型は、いくつありますか?
森秀明さんの『外資系コンサルの資料作成術』は、ビジュアルの類型を12に整理しています。公開報告書261枚を分けたところ、12の型に当たったのは47%でした。事例カード・一覧・整理表を足すと、ほぼ説明できます。12の型の名称は、出版社の公開目次から当社が付けた短縮名です。
Q. 12の型を全部使わないといけませんか。
いいえ。公開報告書の標本で、1本の報告書に当たった型は中央値で2種類でした。問いに合う型を、1枚ごとに1つ選べば足ります。
Q. コンサルの資料は、1枚に何文字くらいですか?
公開報告書580枚の中央値は680字で、1,000字を超える枚が17%ありました。官庁への報告書という種類の資料での数字で、提案書の数字ではありません。上限を決めて作った資料では、中央値で約320字でした。
Q. 外資系と国内系で、型は違いますか。
今回の標本では、会社の種類ごとの差を言えるだけの本数がありません。会社別の置き場の違いは、あくまで測った事実の並べ方にとどめています。
Q. AIに資料を作らせると、情報が詰まりすぎます。どうすればよいですか。
型と上限を先に渡します。1枚350字以内、結論はタイトルの1文、全ての図・表・数字に脚注と出所、という決まりをプロンプトにします。先に「ページ一覧」だけを返させ、論旨を確認してから本編を作らせる方法も有効です。
Q. 公開報告書のスライドを、そのまま参考にしてよいですか。
報告書の著作権は、委託先の会社や国に残っている場合があります。画像のまま使わず、型と規律を参考にして、自社で描き直してください。
まとめ
- 12の型は、公開報告書の半分ほどを説明する。残りの多くは、事例カード・一覧・課題×対応の整理表で、12の型にこの3つを足すと、公開報告書の型はほぼ説明できる。
- 型だけでは、資料は軽くならない。公開報告書は、結論の置き場が割れ、出所は半数の枚にしかなく、1枚は中央値680字だった。結論・副題・出所・文字量の決まりを先に置く必要がある。
- 上限を先に決めれば、型を変えずに1枚を約320字まで軽くできる。型ごとの上限をプロンプトにして、AIに最初から渡す。数字と出所の確認は、人が持つ。
資料の型と上限を決めたうえで、何をAIに任せ、何を人が決めるかを組み直したい場合は、サービスのご案内、進め方、会社情報をご覧ください。ご相談はお問い合わせからお受けしています。
この記事を書いた人
本記事の数値・制度は2026年10月時点のものです。各社の取り組みは公開情報をもとに Zeyra が整理しました。引用・転載は出典(https://zeyra.co.jp/column/consul-shiryo-bunseki/)を明記のうえ、ご自由にどうぞ。
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- マッキンゼー・アンド・カンパニー|令和4年度ヘルスケア産業国際展開推進事業(医療国際展開推進事業)報告書(2023年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000496.pdf
- マッキンゼー・アンド・カンパニー|女性リーダー確保のためのクロスカンパニーメンタリングの実施環境整備に向けた課題調査事業 最終報告書(2023年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000555.pdf
- ボストン コンサルティング グループ(BCG)|令和6年度経済産業政策関係調査事業(民主資本主義国における今後の経済社会運営システムの在り方に関する調査)最終報告書(2025年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/1000015.pdf
- ボストン コンサルティング グループ(BCG)|令和6年度技術開発調査等の推進事業 地域の産学連携の実態等に関する調査 調査報告書(2025年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/1000080.pdf
- ボストン コンサルティング グループ(BCG)|令和4年度産業経済研究委託事業(マクロ経済の状況を踏まえた業界横断的課題の特定に関する調査・分析)最終報告書(2023年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000025.pdf
- A.T. カーニー(Kearney)|令和3年度産業経済研究委託事業(デジタル化等による産業構造の変化を踏まえた、日本経済の持続的成長・発展のための政策手法の検討に向けた調査)調査報告書(2022年3月22日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2021FY/000570.pdf
- ローランド・ベルガー|令和3年度製造基盤技術実態等調査(我が国製造業における技術分野の長期的展望に関する調査)調査報告書(2022年3月31日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2021FY/000069.pdf
- アーサー・ディ・リトル(ADL)|令和6年度エネルギー需給構造高度化基準認証推進事業 我が国工作機械産業の競争力強化に関するルール形成戦略に係る調査 最終報告資料(2025年2月28日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/1000046.pdf
- アーサー・ディ・リトル(ADL)|令和5年度無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(次世代自動車の普及拡大にむけた蓄電池のデュー・ディリジェンス、リユース等調査・分析)報告書(公開版)(2024年2月28日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000569.pdf
- デロイト トーマツ|将来のAAM(Advanced Air Mobility)市場獲得・参入可能性検討事業 最終報告書(公表版)(2025年2月28日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/000037.pdf
- デロイト トーマツ|令和6年度産業経済研究委託事業(価値創造経営の推進に向けた課題と処方箋に関する調査)最終報告書(2024年度(令和6年度))www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/1000124.pdf
- デロイト トーマツ|令和4年度産業経済研究委託事業 リース信用保険等のファイナンス手法を活用した政策に関する調査報告書(2023年3月30日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000495.pdf
- PwC|令和6年度中小企業取引対策事業(パートナーシップ構築宣言企業に関する実態把握調査事業)調査報告書(2025年2月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/000031.pdf
- PwC|令和6年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(中堅・中小企業の物流施設自動化のための課題整理・分析)調査報告書(2025年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/1000144.pdf
- PwC|令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(Web3.0促進のための政策手法等に係る調査等事業)調査報告書(2023年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000296.pdf
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング|令和6年度地域共生再生可能エネルギー発電設備導入実態調査事業(再生可能エネルギー発電設備の不適切事案に対する行政執行事務の適正かつ効率的な管理に向けた調査事業)調査報告書(2025年2月28日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/000336.pdf
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング|令和6年度エネルギー需給構造高度化対策調査等事業(2050年カーボンニュートラル実現に向けた中小企業の構造転換のための調査事業)最終報告書(2024年12月16日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/000514.pdf
- KPMGコンサルティング|令和5年度地域デジタル人材育成・確保推進事業(ゲーミフィケーションを活用した人材育成等に関する調査事業)報告書(2024年3月29日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000515.pdf
- アクセンチュア|令和5年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業(2025年大阪・関西万博におけるPHR体験実証及び医療情報関連ガイドラインに関する調査)報告書(2024年2月29日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000785.pdf
- アクセンチュア|令和5年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査(電気事業及びガス事業に係る電子申請システムの機能拡張に向けた課題検証)調査報告書(2024年2月16日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000825.pdf
- アクセンチュア|令和4年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査(ガス・電気事業者に係る申請業務等の高度化に向けた課題検証)調査報告書(2023年3月31日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000623.pdf
- アビームコンサルティング|令和6年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(行政事務の高度化に資するLLM活用促進可能性検証調査)調査報告書(2025年(令和6年度))www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/000718.pdf
- アビームコンサルティング|令和6年度重要技術総合管理事業(産業データ連携に関する調査)調査報告書(2025年3月28日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/000742.pdf
- アビームコンサルティング|令和3年度燃料安定供給対策に関する調査(鉱業法関連法令の手続等のオンライン化等に関する調査)調査報告書(2021年度(令和3年度))www.meti.go.jp/meti_lib/report/2021FY/000020.pdf
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング|令和6年度「バイオものづくり・エコシステム形成に向けた調査事業」調査報告書(公表版)(2025年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/000025.pdf
- 野村総合研究所(NRI)|令和6年度技術開発調査等の推進事業(イノベーション・エコシステム構築に当たっての人材・技術・設備の流動化についての調査)報告書(2025年3月31日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/1000143.pdf
- 野村総合研究所(NRI)|令和3年度地球温暖化・資源循環対策に資する調査委託費 2050年カーボンニュートラルに伴う革新的環境イノベーション戦略等 各種施策の横断調査分析 調査報告書(2022年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2021FY/000026.pdf
- 三菱総合研究所(MRI)|令和6年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(無人航空機を利用した煙火等の安全な消費に関する調査)報告書(2025年3月19日)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2024FY/1000090.pdf
- NTTデータ|令和5年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(製造業を中心とした企業のグローバル競争力強化に向けたコーポレート・トランスフォーメーションに関する調査)報告書(2024年3月)www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000465.pdf
- 森秀明『外資系コンサルの資料作成術 短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク』ダイヤモンド社、2014年2月(目次の「ビジュアルの類型①〜⑫」を参照。閲覧日 2026年10月16日)diamond.co.jp/book/9784478025727.html
- 測定の方法・限界・全データ:Zeyra株式会社の調査メモ「コンサル資料の分析:公開報告書29本を『12の型』と『資料の規律』で測った」(2026年10月16日)。上の29本の標本580枚を自動で測定し、うち261枚を目視で型に分類した。報告書のスライド画像は転載していない。経済産業省のサイトは自動アクセスを遮断するため、同省の利用規約は確認できていない
- Zeyra株式会社の資料サンプル3本(42枚)の文字数:当社の社内テンプレートとサンプル資料を、同じ方法で数えたもの(2026年10月時点)