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METHOD

4-3 周辺業務への展開PHASE 4 業務AI化段階 L0 → L2(半自動)L2 半自動

月次の請求を AI が条件と照合して下書きまで進める。人は金額の確定と送付だけ【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「請求書を作る手間」ではなく「金額を確定する人の確認点」です。

月末に、取引先ごとの請求条件(固定・回数・成果報酬)をマスタと照合して集計し、請求書の下書きまで進めます。条件は先にマスタへ書いておき、毎月違う数字だけを人に聞く。

この記事で得られること
  • 請求の条件を「担当者の頭の中」から「マスタ」に移し、毎月変わる値だけを人に聞く設計
  • 集計表の承認が出るまで下書きを作らない、というお金が動く業務の止め方と、人に残す判断を2回に固定する考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の月次請求を同じ形に組み替える手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「請求書を作る手間」ではなく「金額を確定する人の確認点」だ。As-Is では、担当者が取引先ごとの条件を思い出し、表計算で集計し、会計ソフトに1件ずつ入力する。条件は頭の中にあり、成果報酬の数え方は月によって揺れる。To-Be では、計算と下書きの作成を AI に寄せ、取引先ごとの条件(固定・回数・成果報酬のレート)はマスタに固定して、毎月変わる回数や粗利だけを聞く。人に残すのは 集計表を承認して金額を確定すること(判断1) と 会計ソフトで請求書を確認して相手に送ること(判断2) の2回。お金が動く操作なので、集計表の承認が出るまで下書きも作らない。

人が判断する回数
2回
集計表の承認(金額の確定)と、会計ソフトでの確認と送付
AI が担う工程の数
8工程中6
対象月の確認から完了の記録まで。人に残るのは今月の値を答えることと承認と送付
人が毎月答える値の種類
3種類
固定は継続の可否、回数制は今月の回数、成果報酬は粗利と新規受注の件数

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04経理・財務の業務フローのどこを AI 化したか

経理・財務の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「請求・入金」の4つのステップのうち F-31(請求書作成・送付) です。

FINANCE FLOW―経理・財務の業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
支払・経費
STEP 3
請求・入金
STEP 4
記帳・月次決算
STEP 5
報告
STEP 6
計画・改善
中でやること
1-1 経営計画・資金計画1-2 会計方針・規程整備1-3 経理業務設計1-4 管理指標設計
2-1 請求書受領・データ化2-2 内容確認2-3 経費精算確認2-4 支払実行
3-1 請求書作成・送付3-2 売上計上3-3 入金消込3-4 未入金対応
4-1 仕訳作成4-2 勘定・取引照合4-3 決算整理4-4 月次締め
5-1 財務諸表作成5-2 予実集計・差異分析5-3 経営レポート作成5-4 経営会議報告
6-1 予算編成6-2 見通し更新6-3 資金繰り管理6-4 経理業務改善
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。人がコマンドで起動し、AI が条件を読んで今月の値だけを聞き、承認で止まる。送付は人。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):条件は担当者の頭の中。表計算で集計し、会計ソフトに1件ずつ入力する

手順書が無い場合の一般的なやり方です。取引先ごとの条件は担当者が覚えていて、成果報酬の数え方は月によって揺れます。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 AI データ・システム 01 対象月の確認 02 条件の読込 03 今月の値の確認 04 集計表の提示 05 承認 06 下書き作成 07 確認・送付 08 完了の記録 月末に思い出す 何日締めで誰に請求するか 揺れる 条件を思い出す 固定・回数・成果報酬の区別 は頭の中 契約書・メモ 毎回探す 回数と粗利を調べる カレンダーや報告を見返す 表計算で集計 レートの計算を手で 自分で見直す 作った本人が確認する 会計ソフトに入力 1件ずつ手で 会計ソフト 入力を待つ箱 確認して送付 宛先と摘要を見て送る 記録しない 何をいつ請求したかはソフト の中だけ 探す 手で入力 この時点で AI は入っていない
全工程が人。人の時間は計測していない。条件の確認と計算の間違いは、請求書を送ったあとに見つかる

07After(To-Be):条件はマスタに固定。AI が今月の値だけを聞いて集計し、承認で止まる

工程の形は変えません。同じ8工程のまま、条件の読込・集計・下書きの作成・記録を AI に移し、人に残すのは、今月の値を答えること、集計表の承認、会計ソフトでの確認と送付です。

人 AI データ・システム 01 対象月の確認 02 条件の読込 03 今月の値の確認 04 集計表の提示 05 承認 06 下書き作成 07 確認・送付 08 完了の記録 起動する 月末にコマンドで呼ぶ 対象月を確認 今日の日付から請求対象月を 決める 条件を読む 取引先ごとの区分とレートを マスタから 経理のマスタ 条件は先に書いておく 今月の値を答える 継続の可否・回数・粗利と件 数 区分ごとに聞く 固定は継続、回数制は回数、 成果報酬は粗利と件数 集計表を出す 取引先・摘要・税別・税込を 一覧に 判断 1 集計表を承認 金額を確定する。修正があれ ば戻す 下書きを作る 承認後にだけ、会計ソフトへ 下書きを作成 会計ソフト 下書きの状態で止まる 判断 2 確認して送付 会計ソフトで請求書を見て、 相手に送る 完了を記録 請求チェックの結果と発行の 有無を残す 経理の記録 翌月の確認に使う 起動 聞く 答える 集計表を渡す 承認 下書きを渡す 読む 下書き 追記 修正があれば値を聞き直す 条件の読込に人の作業はない
人に残る作業は、今月の値を答えること、集計表の承認(判断1)、会計ソフトでの確認と送付(判断2)。時間は計測していない

請求のチェックと下書きを AI 化する手順

  1. 対象月の確認:対象月を確認:今日の日付から請求対象月を決める
  2. 条件の読込:条件を読む:取引先ごとの区分とレートをマスタから
  3. 今月の値の確認:区分ごとに聞く:固定は継続、回数制は回数、成果報酬は粗利と件数
  4. 集計表の提示:集計表を出す:取引先・摘要・税別・税込を一覧に
  5. 承認:集計表を承認:金額を確定する。修正があれば戻す
  6. 下書き作成:下書きを作る:承認後にだけ、会計ソフトへ下書きを作成
  7. 確認・送付:確認して送付:会計ソフトで請求書を見て、相手に送る
  8. 完了の記録:完了を記録:請求チェックの結果と発行の有無を残す

08工程ごとの担当の変化

8工程の形は変えず、条件の読込・集計・下書き・記録を AI に移します。人に残るのは 今月の値を答える・集計表の承認・会計ソフトでの確認と送付 の3つです。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
01対象月の確認
手作業

月末に、何日締めで誰に請求するかを思い出す

→
AI が自動

人がコマンドで起動し、AI が今日の日付から対象月を決める

02条件の読込
手作業

固定・回数・成果報酬の区別とレートを頭の中から思い出す。契約書を毎回探す

→
AI が自動

AI が経理のマスタから取引先ごとの区分とレートを読む

03今月の値の確認
手作業

カレンダーや報告を見返して回数と粗利を調べる

→
手作業

AI が区分ごとに聞き、人は継続の可否・回数・粗利と件数だけを答える

04集計表の提示
手作業

表計算でレートの計算を手でやる

→
AI が自動

AI が取引先・摘要・税別・税込の一覧を出す

05承認
手作業

作った本人が見直す

→
人の判断

人が集計表を承認して金額を確定する。修正があれば値を聞き直す

06下書き作成
手作業

会計ソフトに1件ずつ手で入力する

→
AI が自動

承認後にだけ、AI が会計ソフトへ下書きを作る

07確認・送付
手作業

宛先と摘要を見て送る

→
人の判断

人が会計ソフトで請求書を確認し、相手に送る。送付の操作は AI に渡さない

08完了の記録
手作業

何をいつ請求したかはソフトの中だけで、記録は残さない

→
AI が自動

AI が請求チェックの結果と発行の有無を記録に追記する

09設計のポイント

01

人の判断は2回に固定する

  1. 判断1 集計表の承認: 取引先・摘要・税別・税込の一覧を見て金額を確定する。ここが出るまで AI は下書きを作らない
  2. 判断2 会計ソフトでの確認と送付: 下書きを人が開いて確認し、相手に送る。送付の操作は AI に渡さない
  3. お金が動く業務なので、承認の前に動くものを作らない。順番を守ることで、間違いが相手に届く前に止まる
02

AI の外に残るもの

  1. 今月の値そのもの。継続の可否・回数・粗利と件数は、人が持っている事実を答える
  2. 成果報酬の件数の数え方で迷った案件。規則(継続前提のみ数え、単発は除く)に当てはめにくいものは人が決める
  3. 送付の操作。相手に届く操作は人が行う
03

役割の移動

  1. 担当者: 条件を覚えて計算する人 → 今月の値を答え、集計表を承認し、送る人
  2. AI: 使われていない → マスタを読み、聞き、集計し、承認後に下書きと記録を作る担当
  3. マスタ: 契約書とメモに散っていた条件 → 取引先ごとの区分とレートを1か所に固定する置き場
04

次の分岐

  1. 回数や粗利を聞かずに記録から拾えるか。CRM や議事録に回数が残るようになったら、ヒアリングを減らせる(候補)
  2. 成果報酬の件数カウント規則をマスタに書き切れるか。書き切れない案件は人が数える線引きを残す(候補)
  3. 下書きと実際の請求書の突き合わせを誰が行うか。送付の前に人が見る形を当面は変えない

11まとめ

  • 取引先ごとの条件(固定・回数・成果報酬のレート)はマスタに固定し、毎月変わる値だけを人に聞く
  • 人の判断は「集計表の承認(金額の確定)」と「会計ソフトでの確認と送付」の2回。承認が出るまで下書きを作らない
  • 相手に届く操作は人に残す。間違いが届く前に止まる位置に判断を置く

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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出典: 社内マニュアル・スキル本文・運用の記録(社名・固有名詞は伏せています)
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