METHOD
商談の型を揃え、録音を入れるとフィードバックが出る仕組みにする。上のレイヤーが録画を見る時間はゼロ【業務フロー・指示文付き】
変わるのは「フィードバックできる人の数」ではなく、「フィードバックが出るまでの手間」です。
EC系SaaS で、商談の型(ストーリー・スクリプト・採点シート・資料)を一通り揃えたうえで、録音データを入れるとフィードバックが出る仕組みにした。経営陣が録画を見て評価する時間が、なくなった。出てくるのは、100点満点の総合点、フェーズ別の網羅率、項目ごとの○×、×の項目につく1行の改善トーク、優先度つきの改善点、次回の行動3つ。法人設立前に、代表が個人として受託した案件である。
- 商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を先に揃え、その型を AI に読ませてから録音を入れる設計
- フィードバックを「点数」で終わらせず、×の項目にセリフ単位の改善トークと次回の行動3つを付ける考え方
- 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の採点シートを AI のフィードバックに載せる手順
下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。
業務フローと AI への指示文
この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。
- 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
- AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます
01結論:何が変わるのか
変わるのは「フィードバックできる人の数」ではなく「フィードバックが出るまでの手間」だ。As-Is では、商談の評価は経営陣が録画を見られた分だけに口頭で付き、見る人の時間が商談の質の上限になる。To-Be では、商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を先に揃え、その型を AI に入れておく。現場が録音を入れると、総合点・フェーズ別の網羅率・項目ごとの○×・×の項目への1行の改善トーク・優先度つきの改善点・次回の行動3つが返る。人に残るのは 何を項目にするか(判断1) と 本人が次の商談で何を直すか(判断2) の2回。ただし採点の基準は AI の分析だけでは決まらない。ハイプレイヤーの動きを分析して標準にする部分に、その業界の知識を持つ人が要る。
順番は、型を先に揃えてから AI です。商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を一通り作ってから、録音を入れるとフィードバックが出る形にしました。型化そのものより定着がいちばん難しく、フィードバックできる人が限られていたのがボトルネックでした。
03AI 化の進め方、6つのフェーズ
大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。
04営業の業務フローのどこを AI 化したか
営業の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「商談・提案」の5つのステップのうち S-41〜S-42(商談実施・記録〜議事録作成) です。
05効率化の段階
この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。型を入れた AI に録音を渡すと、採点 → 改善トーク → 次回の行動まで縦に積まれて1本の文書で返る。起点は現場が録音を入れること。
06Before(As-Is):型はハイプレイヤーの頭の中。評価は経営陣が録画を見られた分だけ
商談の型は人の中にあり、新しく入った人は背中を見て覚える。評価は上のレイヤーの時間次第で、全員分は見られない。
07After(To-Be):同じ7工程で、採点から次回の行動までを AI が返す。人は型を決めることと、本人が直すことだけ
工程は変えていない。型を先に揃えて AI に入れ、現場が録音を入れると採点・改善トーク・次回の行動が1本の文書で返る。上のレイヤーが録画を見る工程は無くなった。
- 録音・録画は、商談の冒頭で目的(記録の正確性・社内での振り返り)と範囲を伝え、断られたら録らない
- 録音には相手の発言が含まれる。AI に入れるときは、入力を学習に使わない契約のサービス(法人プランか API)に限り、相手の社名・個人名は必要がなければ外す
- 採点の対象は自社の営業担当のトーク。相手の評価や与信の判断には使わない
- 録音の保存場所・保存期間・閲覧できる人を決め、社外に出さない
商談FB(録音から)を AI 化する手順
- 型を揃える:型を揃える:ストーリー・スクリプト・採点シート・資料
- 商談の録音:商談する:録音を残す
- 録音を入れる:型と照合する:採点シートの項目で読む
- 採点:項目ごとに○×:総合点とフェーズ別の網羅率
- 改善トーク:×に改善トーク:1行のセリフで返す
- 改善点・次回行動:優先度A〜Cで整理:次回の行動を3つ
- 次の商談で直す:読んで次回に使う:セリフ単位で直す
08工程ごとの担当の変化
型を揃えるのは人、採点から次回の行動までは AI。人に残るのは 何を項目にするか と 本人が次に何を直すか の2回で、上のレイヤーが録画を見る工程は無くなった。
型はハイプレイヤーの頭の中。新しい人は背中を見て覚える
商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を一通り揃え、AI に入れる
録画は残るが、見返す前提がない
商談を録音し、所定の場所に残す
上のレイヤーに見てほしいと頼み、時間を待つ
型を入れた AI に録音を渡す
経営陣が録画を見て、見る人の基準で評価する
AI が採点シートの項目ごとに○×を付け、総合点とフェーズ別の網羅率を出す
口頭で助言する。セリフまでは戻らない
×の項目に、1行の改善トークをセリフで返す
本人がメモを取り、優先度は自分で決める
重要改善ポイントを優先度A〜Cで整理し、次回の行動を3つ出す
直す点が曖昧なまま次回に試す
本人がフィードバックを読み、セリフ単位で直す
09設計のポイント
人の判断は2回に固定する
- 判断1 何を項目にするか: 採点シートの元は、ハイプレイヤーの動きを分析して標準にする部分。AI の分析もあるが、ここはその業界の知識を持つ人が決める。型が無いまま AI に入れても、返ってくるのは一般論になる
- 判断2 次回に何を直すか(本人): 優先度つきの改善点と次回の行動3つを読み、次の商談で試す。改善トークがセリフ単位なので、そのまま使える
- 上のレイヤーの確認を判断に入れていない。見る人の時間が商談の質の上限になる構造を外すのが、この仕組みの目的
AI の外に残るもの
- 商談そのもの。採点は録音から行う
- 型(ストーリー・スクリプト・採点シート・資料)を揃える工程。AI 化はその後
- 定着。フィードバックが出ても、次の商談で使われなければ変わらない。オンボーディングと教育をセットにする
役割の移動
- 経営陣・上のレイヤー: 録画を見て評価する人 → 型を決める人。評価の時間はゼロに
- 営業メンバー: 評価を待つ人 → 録音を入れ、セリフ単位の改善を自分で回す人
- AI: 無し → 採点シートどおりに採点し、改善トークと次回の行動を返す担当
次の分岐
- 採点シートの版が変わったら、AI に入れた型も同時に更新する。版はシート側で固定して管理する
- 次の段階(L3)は、録音が所定の場所に入った時点でフィードバックが走る形(候補)
- 面談(採用)の採点シートも同じ作りなので、同じ仕組みに載せられる(候補)
11まとめ
- 順番は、型を揃えてから AI。商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を一通り作り、その型を AI に入れてから録音を渡す
- フィードバックは、総合点・フェーズ別の網羅率・項目ごとの○×・×への1行の改善トーク・優先度つきの改善点・次回の行動3つの5部構成。セリフ単位だから次回に使える
- 上のレイヤーが録画を見る工程を無くす。人に残るのは、何を項目にするかと、本人が次に何を直すかの2回
この記事を書いた人
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