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METHOD

4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)PHASE 4 業務AI化PHASE 5 標準化・落とし込み段階 L0 → L2(半自動)L2 半自動

商談の型を揃え、録音を入れるとフィードバックが出る仕組みにする。上のレイヤーが録画を見る時間はゼロ【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「フィードバックできる人の数」ではなく、「フィードバックが出るまでの手間」です。

EC系SaaS で、商談の型(ストーリー・スクリプト・採点シート・資料)を一通り揃えたうえで、録音データを入れるとフィードバックが出る仕組みにした。経営陣が録画を見て評価する時間が、なくなった。出てくるのは、100点満点の総合点、フェーズ別の網羅率、項目ごとの○×、×の項目につく1行の改善トーク、優先度つきの改善点、次回の行動3つ。法人設立前に、代表が個人として受託した案件である。

この記事で得られること
  • 商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を先に揃え、その型を AI に読ませてから録音を入れる設計
  • フィードバックを「点数」で終わらせず、×の項目にセリフ単位の改善トークと次回の行動3つを付ける考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の採点シートを AI のフィードバックに載せる手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「フィードバックできる人の数」ではなく「フィードバックが出るまでの手間」だ。As-Is では、商談の評価は経営陣が録画を見られた分だけに口頭で付き、見る人の時間が商談の質の上限になる。To-Be では、商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を先に揃え、その型を AI に入れておく。現場が録音を入れると、総合点・フェーズ別の網羅率・項目ごとの○×・×の項目への1行の改善トーク・優先度つきの改善点・次回の行動3つが返る。人に残るのは 何を項目にするか(判断1) と 本人が次の商談で何を直すか(判断2) の2回。ただし採点の基準は AI の分析だけでは決まらない。ハイプレイヤーの動きを分析して標準にする部分に、その業界の知識を持つ人が要る。

太田 壮哉
太田 壮哉の実践アドバイス

順番は、型を先に揃えてから AI です。商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を一通り作ってから、録音を入れるとフィードバックが出る形にしました。型化そのものより定着がいちばん難しく、フィードバックできる人が限られていたのがボトルネックでした。

一人で商談を完結できるまでの期間
1ヶ月以上→4日
型を揃え、録音からフィードバックが出る仕組みを含むオンボーディングの結果
フィードバック1本の中身
5 部構成
総合評価(100点満点・達成率・総評)、フェーズ別の網羅率、項目ごとの○×と改善トーク、優先度A〜Cの改善点、次回の行動3つ
人が判断する回数
2回
何を項目にするか(型を揃える人)と、次回に何を直すか(本人)。上のレイヤーが録画を見る工程は無い

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04営業の業務フローのどこを AI 化したか

営業の仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「商談・提案」の5つのステップのうち S-41〜S-42(商談実施・記録〜議事録作成) です。

SALES FLOW―営業の業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
リード獲得
STEP 3
商談準備
STEP 4
商談・提案
STEP 5
受注・契約
STEP 6
顧客フォロー
中でやること
1-1 顧客像(ICP)定義1-2 市場・競合分析1-3 提供価値設計1-4 営業プロセス設計
2-1 ターゲットリスト作成2-2 企業・担当者調査2-3 アプローチ文面作成2-4 架電・メール実行2-5 アポイント獲得
3-1 顧客・業界調査3-2 課題仮説設計3-3 商談資料作成3-4 日程調整
4-1 商談実施・記録4-2 議事録作成4-3 提案書作成4-4 見積書作成4-5 次アクション連絡
5-1 条件交渉・社内承認5-2 契約書作成・締結5-3 受注データ登録5-4 請求連携
6-1 顧客情報更新6-2 案件・売上予測6-3 定例・報告6-4 アップセル提案6-5 振り返り・コーチング
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L0(手作業)から L2(半自動) へ。型を入れた AI に録音を渡すと、採点 → 改善トーク → 次回の行動まで縦に積まれて1本の文書で返る。起点は現場が録音を入れること。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):型はハイプレイヤーの頭の中。評価は経営陣が録画を見られた分だけ

商談の型は人の中にあり、新しく入った人は背中を見て覚える。評価は上のレイヤーの時間次第で、全員分は見られない。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 AI データ・システム 推進役 現場 AI システム 01 型を揃える 02 商談の録音 03 録音を入れる 04 採点 05 改善トーク 06 改善点・ 次回行動 07 次の商談で直す 型が頭の中 ハイプレイヤーの勘で教える 背中を見て覚える 独り立ちまで1ヶ月以上 商談する 録画は残る 録画 会議ツールに溜まる 時間を作る 全員分は見られない 見てほしいと頼む 上のレイヤーの時間待ち 録画を見て評価 基準は見る人の中 録画 見返す前提 口頭で助言 セリフまでは戻らない メモを取る 優先度は自分で決める メモ 個人の手元 次回に試す 直す点が曖昧なまま 教える 頼む 口頭 録画 見る 書く この時点で AI は入っていない
見る人の時間が商談の質の上限になる。一人で商談を完結できるまで 1ヶ月以上(実測)

07After(To-Be):同じ7工程で、採点から次回の行動までを AI が返す。人は型を決めることと、本人が直すことだけ

工程は変えていない。型を先に揃えて AI に入れ、現場が録音を入れると採点・改善トーク・次回の行動が1本の文書で返る。上のレイヤーが録画を見る工程は無くなった。

人 AI データ・システム 推進役 現場 AI システム 01 型を揃える 02 商談の録音 03 録音を入れる 04 採点 05 改善トーク 06 改善点・ 次回行動 07 次の商談で直す 判断 1 型を揃える ストーリー・スクリプト・採 点シート・資料 採点シート 項目と配点が1枚に 商談する 録音を残す 録音 所定の置き場 録音を入れる 型を入れた AI に渡す 自動 型と照合する 採点シートの項目で読む 採点シート 型として読み込み済み 自動 項目ごとに○× 総合点とフェーズ別の網羅率 採点結果 100点満点・フェーズ別 自動 ×に改善トーク 1行のセリフで返す 自動 優先度A〜Cで整理 次回の行動を3つ フィードバック 1本の文書で本人へ 判断 2 読んで次回に使う セリフ単位で直す 型を渡す 入れる 返す 書く 残す 読む 記録 格納 上のレイヤーが録画を見る工程は無 い 上のレイヤーの時間を使わない
人に残る作業は、型を揃えることと、本人が読んで次回に使うこと。一人で商談を完結できるまで 1ヶ月以上 → 4日(実測)
商談の録音・録画を AI に入れる前に確認すること
  • 録音・録画は、商談の冒頭で目的(記録の正確性・社内での振り返り)と範囲を伝え、断られたら録らない
  • 録音には相手の発言が含まれる。AI に入れるときは、入力を学習に使わない契約のサービス(法人プランか API)に限り、相手の社名・個人名は必要がなければ外す
  • 採点の対象は自社の営業担当のトーク。相手の評価や与信の判断には使わない
  • 録音の保存場所・保存期間・閲覧できる人を決め、社外に出さない

商談FB(録音から)を AI 化する手順

  1. 型を揃える:型を揃える:ストーリー・スクリプト・採点シート・資料
  2. 商談の録音:商談する:録音を残す
  3. 録音を入れる:型と照合する:採点シートの項目で読む
  4. 採点:項目ごとに○×:総合点とフェーズ別の網羅率
  5. 改善トーク:×に改善トーク:1行のセリフで返す
  6. 改善点・次回行動:優先度A〜Cで整理:次回の行動を3つ
  7. 次の商談で直す:読んで次回に使う:セリフ単位で直す

08工程ごとの担当の変化

型を揃えるのは人、採点から次回の行動までは AI。人に残るのは 何を項目にするか と 本人が次に何を直すか の2回で、上のレイヤーが録画を見る工程は無くなった。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
01型を揃える
手作業

型はハイプレイヤーの頭の中。新しい人は背中を見て覚える

→
人の判断

商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を一通り揃え、AI に入れる

02商談の録音
手作業

録画は残るが、見返す前提がない

→
手作業

商談を録音し、所定の場所に残す

03録音を入れる
手作業

上のレイヤーに見てほしいと頼み、時間を待つ

→
手作業

型を入れた AI に録音を渡す

04採点
手作業

経営陣が録画を見て、見る人の基準で評価する

→
AI が自動

AI が採点シートの項目ごとに○×を付け、総合点とフェーズ別の網羅率を出す

05改善トーク
手作業

口頭で助言する。セリフまでは戻らない

→
AI が自動

×の項目に、1行の改善トークをセリフで返す

06改善点・次回行動
手作業

本人がメモを取り、優先度は自分で決める

→
AI が自動

重要改善ポイントを優先度A〜Cで整理し、次回の行動を3つ出す

07次の商談で直す
手作業

直す点が曖昧なまま次回に試す

→
人の判断

本人がフィードバックを読み、セリフ単位で直す

09設計のポイント

01

人の判断は2回に固定する

  1. 判断1 何を項目にするか: 採点シートの元は、ハイプレイヤーの動きを分析して標準にする部分。AI の分析もあるが、ここはその業界の知識を持つ人が決める。型が無いまま AI に入れても、返ってくるのは一般論になる
  2. 判断2 次回に何を直すか(本人): 優先度つきの改善点と次回の行動3つを読み、次の商談で試す。改善トークがセリフ単位なので、そのまま使える
  3. 上のレイヤーの確認を判断に入れていない。見る人の時間が商談の質の上限になる構造を外すのが、この仕組みの目的
02

AI の外に残るもの

  1. 商談そのもの。採点は録音から行う
  2. 型(ストーリー・スクリプト・採点シート・資料)を揃える工程。AI 化はその後
  3. 定着。フィードバックが出ても、次の商談で使われなければ変わらない。オンボーディングと教育をセットにする
03

役割の移動

  1. 経営陣・上のレイヤー: 録画を見て評価する人 → 型を決める人。評価の時間はゼロに
  2. 営業メンバー: 評価を待つ人 → 録音を入れ、セリフ単位の改善を自分で回す人
  3. AI: 無し → 採点シートどおりに採点し、改善トークと次回の行動を返す担当
04

次の分岐

  1. 採点シートの版が変わったら、AI に入れた型も同時に更新する。版はシート側で固定して管理する
  2. 次の段階(L3)は、録音が所定の場所に入った時点でフィードバックが走る形(候補)
  3. 面談(採用)の採点シートも同じ作りなので、同じ仕組みに載せられる(候補)

11まとめ

  • 順番は、型を揃えてから AI。商談ストーリー・スクリプト・採点シート・資料を一通り作り、その型を AI に入れてから録音を渡す
  • フィードバックは、総合点・フェーズ別の網羅率・項目ごとの○×・×への1行の改善トーク・優先度つきの改善点・次回の行動3つの5部構成。セリフ単位だから次回に使える
  • 上のレイヤーが録画を見る工程を無くす。人に残るのは、何を項目にするかと、本人が次に何を直すかの2回

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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出典: 社内マニュアル・スキル本文・運用の記録(社名・固有名詞は伏せています)
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