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METHOD

4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)PHASE 4 業務AI化段階 L0 → L3(自動実行)L3 自動実行

問い合わせの一次対応を AI に下書きさせる。受付から回答案まで AI、人は読んで送ることと手続きの判断だけ【業務フロー・指示文付き】

ANSWER — この記事の答え

変わるのは「返す速さ」ではなく「担当者が最初に見るもの」です。

問い合わせの一次対応は、受け取り、顧客を照会し、何を聞かれているかを読み、規定に沿って返す仕事で、担当者の時間の多くがここに取られる。「AI が下書きし、人が送る」の型を当てはめ、人に残す判断を3回に固定した。

この記事で得られること
  • 問い合わせの一次対応を「受付 → 照会 → 意図の把握 → 回答案 → 手続き → 解決の確認」の順に、AI が下書きまで進める設計
  • 顧客に返す前に必ず人が読む形から始め、手続きと FAQ の更新を人の判断に残す考え方
  • 業務フローと AI への指示文(設計用プロンプト)で、自社の問い合わせ窓口を同じ形に組み替える手順

下の「AI への指示文」を Claude に貼ると、業務フローを踏まえて、自社向けの設計を質問しながら組み立てられます。

業務フローと AI への指示文

この記事の業務フロー(To-Be)と、自社向けに設計を組み立てる AI への指示文を無料でお渡しします。右の3つを入れると、ダウンロードのボタンが出ます。

  • 業務フロー(To-Be)工程ごとの人/AI/データの担当と、人が判断する場所
  • AI への指示文(設計用プロンプト)業務フロー入り。Claude に貼ると、自社向けの設計を質問しながら組み立てます

いただいた情報は、配布物に関するご連絡と Zeyra からのご案内にだけ使います(プライバシーポリシー)。

01結論:何が変わるのか

変わるのは「返す速さ」ではなく「担当者が最初に見るもの」だ。As-Is では、担当者は受付箱の生の文面から始め、顧客台帳を開き、過去のやり取りと FAQ を探してから書き始める。探す時間が、答える時間より長い。To-Be では、問い合わせが届いた時点で AI が分類し、顧客情報を引き、FAQ と規定から根拠付きの回答案を作る。担当者が最初に見るのは、回答案と根拠と足りない情報の一覧になる。人がやるのは 回答案を読んで送る(判断1)・返金や解約などの手続きを実行するか決める(判断2)・FAQ に足すか決める(判断3) の3回。立ち上げ期は、AI に顧客へ直接返させない。

人が判断する回数
3回
回答案を読んで送る・手続きを実行するか決める・FAQ に足すか決める
この業務の工程数
7工程
受付から照会・意図の把握・回答案・手続き・解決の確認・FAQ の更新まで
立ち上げ期に AI が直接返す回答の数
0件
回答はすべて人が読んでから送る。直接返す範囲は、運用で確かめてから広げる

03AI 化の進め方、6つのフェーズ

大手と中小で中身は違っても、進め方の順番はどの会社でも同じです。フェーズごとに「目指す状態」と「実行内容」を置き、塗りがこの事例の位置。

PROCESS―AI 化の進め方
フェーズ
PHASE 1
現状把握・調査
PHASE 2
洗い出し・整理
PHASE 3
基盤整備
PHASE 4
業務AI化
PHASE 5
標準化・落とし込み
PHASE 6
定着・改善
目指す状態
改善余地が明確化
優先順位が決定
AIデータ基盤整備
AI前提業務に変革
現場が使える
改善自走と横展開
実行内容
1-1 現場ヒアリング1-2 AI によるクロール(社内データ)1-3 類似事例調査
2-1 AI化リストの洗い出し2-2 優先順位付け(ROI×難易度)2-3 ロードマップ作成
3-1 置き場・命名・判断者の設計(会社OS)3-2 CRM・マスタの再設計3-3 データ蓄積の運用開始
4-1 暗黙知の抽出(ハイプレイヤーの型化)4-2 最初の1本の構築(判断ゲートの設計)4-3 周辺業務への展開4-4 計測と調整
5-1 マニュアル・テンプレ化5-2 研修(推進役→現場)5-3 現場が触れる形にする(アプリ化)
6-1 振り返り(週次・月次)6-2 改善・型の更新6-3 他領域への展開
この事例のフェーズと、やった実行内容

04カスタマーサポートの業務フローのどこを AI 化したか

カスタマーサポートの仕事は6つのカテゴリーに分けられます。この業務が扱うのは、「回答・対応」の4つのステップのうち C-31〜C-34(過去事例・ナレッジ検索〜有人対応切り替え) です。

CS FLOW―カスタマーサポートの業務フロー
工程
STEP 1
戦略設計
STEP 2
受付・振り分け
STEP 3
回答・対応
STEP 4
記録・後処理
STEP 5
ナレッジ整備
STEP 6
分析・改善
中でやること
1-1 対応方針・品質基準策定1-2 問い合わせ窓口設計1-3 体制・役割設計1-4 KPI設計
2-1 問い合わせ受付2-2 本人・履歴確認2-3 内容・緊急度判定2-4 担当振り分け
3-1 過去事例・ナレッジ検索3-2 回答案作成3-3 回答・手続き実行3-4 有人対応切り替え
4-1 応対内容記録4-2 要約作成4-3 次アクション登録4-4 対応完了
5-1 頻出質問特定5-2 FAQ作成5-3 内容確認・公開5-4 FAQ更新
6-1 顧客意見収集6-2 傾向・課題分析6-3 改善提案6-4 応対品質評価
この業務で AI 化した工程・項目

05効率化の段階

この業務は L0(手作業)から L3(自動実行) へ。起点が「担当者が受付箱を開く」から「問い合わせが届く」に移り、人は回答案の確認と送信、手続きの可否だけになる。

LEVEL―効率化の段階 L0〜L4
L0手作業人
L1AI補助人がチャットに貼る
L2半自動人がコマンドで起動
L3自動実行検知・時刻
L4自走先方が自分で直す
▲As-Is
▲To-Be(今ここ)

06Before(As-Is):担当者が受付箱の生の文面から始める。探す時間が答える時間より長い

問い合わせは窓口ごとに届き、担当者はまず誰からの何の話かを調べる。答えは FAQ や過去のやり取りに散っていて、探し方は人によって違う。

手作業AI が自動実行人の判断ゲートデータ置き場手戻り列の並び: 人 → AI → データ・システム/行は工程(上から下へ)
人 AI データ・システム 01 受付 02 顧客の照会 03 意図の把握 04 回答案 05 手続き 06 解決の確認 07 FAQの更新 受付箱を開く メール・フォーム・チャット を順に見る 受付箱 窓口ごとに分かれている 顧客を調べる 台帳を開き、契約と履歴を探 す 顧客台帳 別の画面で開く 聞き返す 足りない情報をメールで往復 する 答えを探して書く FAQ と過去の返信から書き 起こす FAQ・規定 どこにあるか人による 手続きをする 管理画面で変更や返金を行う 管理画面 手で操作する 追いかける 解決したかを覚えておく FAQ はそのまま 同じ質問に毎回書き起こす 見に行く 探す 探す 手で操作 返事待ち この時点で AI は入っていない
7工程すべてが担当者の手作業。1件あたりの時間は計測していない

07After(To-Be):同じ7工程を、AI が受付から回答案まで進める。人は読んで送ることと、手続きと FAQ の判断だけ

工程は変えない。問い合わせが届いた時点で AI が動き、担当者の前には回答案と根拠が揃った状態で置かれる。顧客に返すのは人。

人 AI データ・システム 01 受付 02 顧客の照会 03 意図の把握 04 回答案 05 手続き 06 解決の確認 07 FAQの更新 自動 受け取って分ける 窓口をまたいで集め、種類で 分ける 受付箱 起点として機能 自動 顧客情報を引く 契約と履歴を回答案の横に並 べる 顧客台帳 読むだけ 自動 意図を読む 足りない情報を聞き返し案に する 判断 1 読んで送る 根拠を見て、直すか送るか決 める 自動 回答案を作る FAQ と規定から。根拠の箇 所を添える FAQ・規定 1か所にまとまっている 判断 2 手続きを決める 返金・解約・変更は人が実行 する 自動 必要な項目を揃える 手続きに要る情報を一覧にす る 管理画面 操作は人 難しい案件を受ける 詳しい人に経緯ごと渡す 自動 未解決を拾う 返事が無い・不満が残る案件 を出す 判断 3 FAQ に足すか決める 追記案を読んで採否を決める 自動 追記案を作る 人が直した回答案から差分を 拾う FAQ・規定 直しが次の回答に効く 回答案を渡す 読む 読む 引く 操作する 追記 受付・照会に人の作業はない 聞き返しも人が送る
人に残る作業は、回答案を読んで送る・手続きの可否・難しい案件の引き継ぎ・FAQ に足すかの判断(時間は計測していない)
問い合わせの内容を AI に入れる前に確認すること
  • 問い合わせには顧客の氏名・連絡先・相談内容が入る。AI に入れるのは、入力を学習に使わない契約のサービス(法人プランか API)に限り、回答に要らない個人情報は外す
  • 顧客に示す利用目的に「問い合わせ対応での AI の利用」が読み取れるようにしておく
  • 返信は人が読んでから送る。病歴や与信など、慎重な扱いが要る内容は AI の回答案を使わず人が対応する

問い合わせの一次対応を AI 化する手順

  1. 受付:受け取って分ける:窓口をまたいで集め、種類で分ける
  2. 顧客の照会:顧客情報を引く:契約と履歴を回答案の横に並べる
  3. 意図の把握:意図を読む:足りない情報を聞き返し案にする
  4. 回答案:回答案を作る:FAQ と規定から。根拠の箇所を添える
  5. 手続き:必要な項目を揃える:手続きに要る情報を一覧にする
  6. 解決の確認:未解決を拾う:返事が無い・不満が残る案件を出す
  7. FAQの更新:追記案を作る:人が直した回答案から差分を拾う

08工程ごとの担当の変化

工程の形は変えず、集める・調べる・下書きするを AI に移した。人に残るのは 回答案を読んで送る・手続きの可否・難しい案件の引き継ぎ・FAQ に足すかの判断 の4つで、判断は3回。

ROLE SHIFT―工程ごとの担当の変化
工程As-Is 誰が・どうTo-Be 誰が・どう
01受付
手作業

メール・フォーム・チャットの受付箱を順に開く

→
AI が自動

AI が窓口をまたいで問い合わせを集め、種類で分ける

02顧客の照会
手作業

顧客台帳を別の画面で開き、契約と履歴を探す

→
AI が自動

AI が顧客情報を引き、契約と過去のやり取りを回答案の横に並べる

03意図の把握
手作業

足りない情報をメールで聞き返し、返事を待つ

→
AI が自動

AI が何を聞かれているかを読み、足りない情報を聞き返し案にまとめる

04回答案
手作業

FAQ と過去の返信を探し、一から書き起こす

→
人の判断

AI が FAQ と規定から回答案を作り、根拠の箇所を添える。人は読んで直すか送るか決める

05手続き
手作業

管理画面で変更や返金を手で行う

→
人の判断

AI が手続きに要る項目を揃える。実行するかどうかと操作は人

06解決の確認
手作業

解決したかを担当者が覚えておく

→
AI が自動

AI が返事の無い案件や不満の残る案件を拾う。難しい案件は人が経緯ごと引き継ぐ

07FAQの更新
手作業

更新されず、同じ質問に毎回書き起こす

→
人の判断

AI が人の直した回答案から FAQ の追記案を作る。人が採否を決める

09設計のポイント

01

人の判断は3回に固定する

  1. 判断1 回答案を読んで送る: 根拠の箇所と照らして、直すか送るか決める。立ち上げ期はすべての回答をここに通す
  2. 判断2 手続きを実行するか: 返金・解約・契約の変更は、お金や契約が動く。AI は必要な項目を揃えるまでで、実行は人
  3. 判断3 FAQ に足すか: 人が直した回答案は、FAQ が足りていない印。追記案を読んで採否を決めると、次の回答案に効く
02

AI の外に残るもの

  1. 顧客への送信。立ち上げ期は、聞き返しも回答もすべて人が読んでから送る
  2. 怒りや不安の強い問い合わせ、例外の多い案件。経緯ごと詳しい人に渡す
  3. 何を FAQ と規定に書くか。AI が答えられる範囲は、ここに書かれた範囲で決まる
03

役割の移動

  1. 窓口担当: 探して書く人 → 回答案を読んで送り、手続きを決める人
  2. AI: 文面を整える道具 → 受付から照会・回答案・未解決の拾い上げまでを通す担当
  3. FAQ・規定: 担当者が探しに行く資料 → 回答案の根拠になり、直しが戻ってくる場所
04

次の分岐

  1. 人がほとんど直さずに送っている種類の問い合わせから、AI が直接返す範囲を広げる。どこまで広げるかは運用の記録を見て人が決める(候補)
  2. 海外の通信・金融・SaaS では、問い合わせの多くを AI で完結させる事例がある。ページ下の参考事例に出典付きで載せている
  3. 手続きのうち、取り消せる軽いもの(再送や設定の案内など)から AI の実行に移す(候補)

11まとめ

  • 問い合わせが届いた時点で AI が動き、担当者の前には回答案と根拠と足りない情報が揃う
  • 人の判断は「読んで送る・手続きの可否・FAQ に足すか」の3回。立ち上げ期は、AI に顧客へ直接返させない
  • 数字は、運用に乗せてから計測する

この記事を書いた人

太田 壮哉
太田 壮哉Zeyra株式会社 代表

採用・組織人事のコンサルで200社以上、AI系ブティックファームで事業責任者。いまは AI 前提の組織設計を、自社で回しながらクライアントに提供している。

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出典: 社内マニュアル・スキル本文・運用の記録(社名・固有名詞は伏せています)
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